<園児プール水死>文科省 監視方法や遊具注意点をDVDに
毎日新聞 2014年7月24日 15時30分配信
2011年7月に神奈川県大和市の幼稚園のプールで園児が水死した事故を受け、文部科学省は幼稚園教諭や保育士向けの啓発DVDを作製する。事故や消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)の提言を反映し、監視方法などを紹介する内容で、今年度中に作製し、全国の幼稚園や保育園などに配布する方針。
大和市の事故は11年7月11日、水深約20センチの屋内プールで発生し、当時3歳だった伊禮(いれい)貴弘君が死亡した。両親の申し入れで調査した消費者事故調は、6月の最終報告で浅いプールでも幼児が溺れる危険性に言及した。また、元担任教諭=業務上過失致死罪で起訴、有罪確定=は溺れた瞬間を見ておらず、法廷で「園から安全に関する指導はなく短大でも教えられていない」と話したことから、監視態勢や安全教育の不備が指摘されていた。
DVDでは大和市の事故を踏まえ、浅くても溺れる幼児の特性に言及する。さらに、実際に園児らが遊んでいる場面を収録し、プールの監視方法や危険な遊ばせ方、注意すべき点などをテロップやナレーションで説明する方針。プールにとどまらず、滑り台やブランコなどの遊具に関する注意事項なども盛り込む予定だ。幼稚園や保育園だけでなく、幼稚園教諭や保育士養成課程のある大学や専門学校にも配布するといい、文科省の担当者は「授業や研修など、さまざまな場面で役立ててほしい」と話す。
大和市のプール事故を巡っては、元園長の西山淳子被告(67)も業務上過失致死罪に問われ、横浜地裁で公判中。【飯田憲】