<桜宮高自殺2年>体罰いまだ根絶せず 大阪市、減少傾向も
毎日新聞 2014年12月23日 10時0分配信
大阪市立桜宮高校バスケットボール部の2年男子生徒(当時17歳)が、顧問の男性教諭(懲戒免職)から体罰を受け、自殺してから23日で2年になる。同市の学校現場での体罰は減少傾向にあるが、市教委は22日の教育委員会会議の冒頭に黙とうをささげ、大森不二雄教育委員長が「体罰・暴力行為を許さない学校づくりの徹底に取り組みたい」と誓った。
同校では、暴力的な指導を防ぐため、外部や地域とつながりを持つ学校作りを進めている。昨年から生徒の企画で、地元の中学生を対象にしたスポーツ教室などのイベントを実施。今年度からは外部人材による「スポーツマネージャー」を配置し、外部講師を招いた教職員向け研修会を企画している。
19日には、同校で追悼集会が開かれ、生徒や教職員、保護者ら約900人が参加した。角芳美校長は「来年度からは事件を知る生徒がいなくなる。事件を風化させないためにも追悼集会は続けていきたい」と話した。
市教委によると、市立小・中学、高校などで体罰や暴力で処分された教職員は、12年度の324件(うち懲戒処分21件)に対し、13年度は105件(同9件)、今年度は8月末まで33件(同1件)と減少傾向にある。市教委は昨年9月、体罰・暴力行為を禁止する新たな指針を策定し、研修などを通じて各校に周知してきた。
市教委の担当者は「減少傾向だが、まだゼロになっていない現実がある。しっかりと取り組みを続けていきたい」と話した。【寺岡俊、松井聡】