死亡ひき逃げ、道交法違反のみ起訴へ 過失致死容疑は捜査継続

死亡ひき逃げ、道交法違反のみ起訴へ 過失致死容疑は捜査継続
山形新聞 2015年1月13日 8時8分配信

 山形市中心部で先月20日未明、東北文教大准教授の松川俊夫さん(56)がひき逃げされて死亡した事件で、自動車運転処罰法違反(過失致死)などの疑いで逮捕された楯岡高教諭の斎藤章容疑者(60)について、山形地検は勾留期限の13日に道交法違反の罪のみで起訴する方針であることが12日、複数の捜査関係者への取材で分かった。引きずって死なせた過失の容疑は処分保留とし、引き続き調べるとみられる。

 斎藤容疑者の逮捕容疑は、先月20日午前1時45分ごろ、同市十日町1丁目から約1.5キロ先の同市美畑町まで、自身の乗用車の底部で松川さんを引きずり、救護せずに逃走。頭部打撲による頭蓋内損傷で死亡させた疑い。発生3日後の同23日、山形署に逮捕された。

 複数の関係者の話を総合すると、斎藤容疑者は当初、発生時間には既に帰宅し、現場を車で通ってはいないとして容疑を全面的に否認していたが、その後、「事件発生時、車で現場を通った」と認めた。目的は知人を送るためだったとしており、同乗者がいたことも分かっている。一方、松川さんを引きずったことの認識については否認し続けているとみられる。

 県警のこれまでの捜査で、斎藤容疑者の車体底部にあった血痕から採取したDNA型が松川さんと一致した。さらに現場での実況見分や同型車両と人形を使った実験なども行い、当時、斎藤容疑者が松川さんを引きずったことを認識できたかなどを調べた。

 それらから捜査当局は、引きずって死なせた過失について、起訴の可否を決めるには、さらに捜査を続けて証拠を見極める必要があると判断。斎藤容疑者が松川さんを助けず、現場を立ち去ったとする逮捕容疑について起訴する方針を固めたとみられる。

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