小6女児自殺「いじめも関連」の報告書(長崎)

小6女児自殺「いじめも関連」の報告書
NHKニュース 2015年2月2日 15時59分

おととし、長崎市の小学6年生の女の子が自殺した問題で、専門家で作る委員会は2日、「いじめを含めた精神的苦痛が女子児童を追い詰めた可能性が高い」として、いじめと自殺との関連を認める報告書をまとめました。
ただ、女の子が別のことでも悩んでいたとして、「いじめだけが自殺の原因ではない」としています。

この問題は、おととし7月、長崎市の市立小学校に通う6年生の女の子が自宅で自殺を図り、その後、死亡したものです。
これまで、市の教育委員会は女の子が靴を隠されたり、修学旅行の班を決める際に仲間外れにされそうになるいじめを受けていたことを認めていましたが、自殺の直接的な原因かどうかは判断できないとしていました。
これについて、外部の専門家で作る調査委員会がおよそ1年3か月かけて検証し、2日、報告書を遺族に提出しました。
報告書によりますと、いじめと疑われる15の事案を検証し、教育委員会が認定した2件に加えて、5年生のときにからかいを込めたあだ名で呼ばれていたことを新たにいじめと認定しました。
そのうえで、「いじめを含めた精神的な苦痛の積み重ねが女子児童を追い詰めた可能性が高い」として「自殺との関連があるものと考える」と結論づけました。
一方で、女の子がクラブ活動での友人関係などに悩んでいたことに触れ、「法的意味で直接、いじめと自殺に因果関係があったと認定するのは困難である」としていじめだけが自殺の原因ではないという認識も示しました。
報告書を提出した長崎大学教育学部の教授で外部調査委員会の赤崎眞弓委員長は「当時の学校や市教委側の対応は調査が不十分で問題があった」と述べました。

母親「いじめこそが自殺の原因」
報告書を受け取った女の子の母親は、代理人の弁護士を通じてコメントを出しました。
この中で母親は「教育委員会の判断から一歩踏み込んでいただいたことと、学校側の問題点についても指摘されていたことについて感謝しています」とする一方、「いじめこそが娘の自殺の原因であると確信していますので、すべてに納得しているわけではありません。これから私に何ができるか、どうすべきかということを改めて考えていきたいと思います」と記しています。

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