香川県立高教諭に賠償命令/わいせつで元生徒自殺
四国新聞 2015/03/25 21:10
香川県立高校の50代の男性教諭から繰り返しわいせつ行為を受けた元教え子の女性=当時(22)=が自殺に追い込まれたとして、高松市の両親が香川県と教諭に計4千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、高松地裁は25日、教諭に750万円の支払いを命じた。
福田修久裁判長は判決理由で「女性が自殺を考えた原因は教諭のわいせつ行為であると推認される」と指摘。県への請求は、公務中の行為ではないとして認めなかった。
女性は大学の卒業論文作成で高校生の意識調査が必要となったことから、教諭の協力を得ようと県立高を何度か訪れたが、教諭に体を触られ、裸の写真を撮られるなどした。
訴えによると、女性は2004年3月に高松市内の県立高校を卒業。県外の大学3年生だった06年夏、卒業論文に必要な調査のため出身高校を訪れ、旧知の男性教諭に協力を求めたところ、校内で下半身を触られるなど性的行為を繰り返されるようになった。女性は大学院に進んだ08年5月に男性教諭と示談したが、間もなく精神状態が悪化。心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され治療を受けたが改善せず、同年10月に自殺したという。両親は「娘は性的行為で精神的苦痛を受け、死に至った」などと主張している。
県教委は、女性と示談が成立したことなどから教諭を懲戒処分にせず、08年6月に「軽率な行為があった」として文書訓告処分にしていた。
原告代理人の小林正則弁護士は「遺族は現職を続ける教諭や県の責任を明らかにしようと提訴に踏み切った」と話した。