聖マリアンナ指定医不正:厚労省「行政処分も」

聖マリアンナ指定医不正:厚労省「行政処分も」
毎日新聞 2015年04月22日 21時03分

 聖マリアンナ医科大病院(川崎市)の医師11人が「精神保健指定医」の資格を不正に取得した問題で、厚生労働省は資格取り消しに加え、医業停止など医師法に基づく行政処分も検討することを決めた。同医科大の明石勝也理事長も22日、謝罪のため同省を訪れ、大学側も不正に関わった医師の懲戒処分を検討する方針を明らかにした。

 医師法は罰金以上の刑や医事に関しての犯罪や不正行為があった医師に対し、免許取り消しや3年以内の医業停止などの行政処分を規定している。

 厚労省によると、これまで精神保健福祉法に基づいて指定医の資格を取り消した医師に対して、医師法でも処分する例はなかったという。同医科大のケースでは虚偽申請による不正な資格取得が常態化しており、医事に関する重大な不正行為があったと判断。資格を取り消された指導医を含む計20人の医師について、大学から調査報告を受けた上で同省の医道審議会の分科会で行政処分を検討することにした。

 同医科大の明石理事長は22日、厚労省に対し、「教育機関としても不行き届きで、おわびするしかない。管理体制を厳しく見直したい」と謝罪。23日に調査報告書を提出し、資格を取り消された20人のうち現在も大学に所属する7人について懲戒処分を検討すると述べた。【桐野耕一】

 ◇横浜で医師2人、強制入院の判定

 横浜市の林文子市長は22日、厚生労働省が「精神保健指定医」の資格を取り消した聖マリアンナ医科大病院の医師20人のうち2人が、2012年3月〜13年10月に市の関与した患者3人について、強制入院の判定をしていたことを明らかにした。この医師2人は、資格申請時に不正があったとされる指定医11人のリポートをチェックする指導医の立場だった。

 市は不正発覚後、患者3人のカルテなどを確認させ、強制入院の判定には問題がなかったと結論付けた。3人はいずれも退院しているという。【飯田憲】

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