高校教諭を非公表で懲戒免職 県教委「被害生徒の意向尊重」
中日新聞 2015年12月18日
県教委が、県立高校の男性教諭(47)を十一月二十六日付で懲戒免職処分にしていたことが関係者への取材で分かった。教え子に対するわいせつ行為が処分理由とみられる。しかし県教委は「被害に遭った生徒と保護者が一切の公表を望んでいない」(教職員課)として、処分理由だけでなく処分した事実そのものも発表していない。
県教委によると、今年四月以降に懲戒処分した教職員は十一人(免職五人、停職三人、減給三人)に上る。このうち今回の男性教諭を含む四人(免職三人、停職一人)の処分について、「被害者側の意向」を理由に全面非公表としている。
県教委は二〇一四年四月、懲戒処分の公表基準の例外規定を「公表しないことができる」から「一部または全部を公表しないことができる」と改正。しかし男性教諭を懲戒免職とした今回の処分を含め、改正後に例外規定を適用した九件はいずれも「全部」を公表しなかった。
文部科学省は懲戒処分の公表について「処分の厳正な運用に資するとともに保護者、地域住民などへの説明責任を果たすもの」との見解を示している。
◆昨年基準改正も有名無実に
「被害生徒と保護者から『公表しないでほしい』と、はっきり言われたので尊重した」。県教委教職員課の担当者は十七日、今回の男性教諭の懲戒免職処分を非公表とした理由を説明した。
その一方で担当者は「被害者側から『一部を公表して』と言われれば、一部を公表する。こちらから『公表させてほしい』『一部でも公表できないか』という話はしていない」とも述べた。
一四年の改正は、処分した事実自体も明らかにしない全面非公表が、一三年度までの五年間で懲戒処分全体の二割を占め、「被害者が特定できない公表の仕方もあるのではないか」という批判を受けての対応だった。
当時の担当者は改正後の運用について、部分的にでも公表できるよう被害者側と話し合う方針を示していた。これに対し、「被害者側が明確に『公表しないでほしい』と言ったので一部でも公表を望まないと受け止めた」という今回の対応は、昨年春の改正の趣旨が二年もたたずに有名無実化している現実を浮き彫りにした形だ。