<検定中教科書閲覧>東北3県 計95人が謝金
河北新報 2016年3月16日(水)13時1分配信
教科書会社が検定中の教科書を教員らに見せていた問題で、宮城、秋田、福島3県教委が各県の小中学校教員を調査した結果、校長から教諭まで計95人が教科書会社から5000円〜2万円の謝金を受け取っていたことが15日、分かった。
宮城では教員24人が検定中の申請本を閲覧して現金を受領し、16人は現行本を見て現金を受け取った。計40人のうち16人が採択に関係する委員を務めていたが、県教委は本人からの聞き取りなどを精査した結果として「採択への影響はなく、懲戒処分には至らない」との考えを示した。
秋田では、文部科学省から指摘を受けた教員44人のうち退職者などを除く30人を調査。25人が現金を受け取ったり、食事の提供を受けたりしていた。
このうち4人は採択に影響を与える立場にあり、現金を受け取った会社の教科書が採択されたケースもあった。県教委は4人がこの会社を強く推薦していなかったとして、採択への影響はなかったと判断。4月までに処分を決める方針だ。
福島では教科書を閲覧した事実が確認された教員37人のうち、30人が現金を受領した。うち8人は教科書採択に関わる資料作成を担当、3人が閲覧した教科書が実際に採択された。
県教委は「本人の聞き取りや記録調査から、採択を誘導するなどの関与は確認できなかった」と総括。「倫理上の問題はある」として処分を検討している。
<検定中教科書閲覧>宮城県内校長ら40人謝金
河北新報 2016年3月16日(水)13時1分配信
宮城県教委は15日開いた定例会で、教科書会社が検定中の教科書を教員らに見せていた問題をめぐり、文部科学省から指摘があった小中学校教員42人に対する聞き取り調査の結果を明らかにした。41人が検定中の申請本か現行本を閲覧し、うち40人が謝金を受け取っていた。
閲覧した教員の内訳はいずれも当時の役職で、校長6人、教頭9人、主幹教諭2人、教諭23人、私立大教員1人。
申請本を閲覧した24人には東京書籍が1万円、光村図書が2万円を謝金として渡した。1人はその場で受領を拒否。16人は現行本を閲覧し、謝金を受け取っていた。41人中21人が仙台市立の教員だった。
7人が別途、交通費を受け取った。29人が食事の提供を受け、2人は懇親会に参加。大半が返却の意思を示しているという。
県教委の調査に対し教員らは、教科書会社から「意見を聞かせてほしい」と勧誘され、「今後の指導に生かせる」と考えて勤務時間外の会議に出席したなどと答えた。申請本の一部が提示されることは事前に知らなかったという。
県教委はいずれのケースも懲戒処分の対象とはならないとの見方を示し、各市町村教委が今後、訓告や文書厳重注意などの処分を検討する。仙台市教委は県の方針を参考に処分を決める。