不正アクセス禁止法違反 元長崎大大学院助教に有罪判決 福岡地裁 /長崎
毎日新聞2016年4月9日 地方版
元交際相手の女性のIDとパスワードを使ってサーバーにアクセスしメールを盗み見たとして不正アクセス禁止法違反などの罪に問われた、元長崎大大学院工学研究科助教で米国籍のヤン・ジェイソン・シャオ・チュン被告(34)=懲戒解雇=に対し、福岡地裁は8日、懲役2年、執行猶予3年(求刑・懲役2年)の有罪判決を言い渡した。
判決で石川貴司裁判官は、元交際相手の浮気を確認するためだったなどと認定し「身勝手な動機」と非難する一方、勤務先から解雇され社会的制裁を受けていることなどを挙げて執行猶予とした。
判決によると、昨年2〜4月、計6回にわたり、長崎市の研究室などから女性の勤務先のサーバーに不正にアクセスするなどした。【吉住遊】
ヤン被告は、被害女性が既婚者の自身と恋愛関係にあるように装ったメールを女性の知人に送りつけたとする名誉毀損罪などでも起訴されている。
起訴状などによると、昨年2月、大学内で3回、女性のメールアカウントに無断でIDやパスワードを入力し、不正ログインしたとしている。
同容疑者は2012年9月ごろから女性と交際していたが、事件当時、別れ話が持ち上がっていたという。昨年10月〜今年5月に計約7000回の不正アクセスを繰り返し、女性宛てのメールを無断で削除したり、女性の性的な画像を添付して女性の同僚らに送信したりしていたとみられる。