性暴力の実相 本紙連載に反響 先生の裏切り傷深く

性暴力の実相 本紙連載に反響 先生の裏切り傷深く
西日本新聞 2016年07月25日 10時34分

 力関係や信頼関係を背景にした教職員による生徒への性暴力。その実態を取り上げた連載「性暴力の実相」第4部に、読者から多くの声が寄せられた。教師のセクハラ行為に苦しめられた女性、被害を訴えた娘を学校に精神疾患扱いされた親、60年以上前の心の傷になおも縛られる人…。取材班は被害の根深さをあらためて実感した。

 40代の女性は「先生の言うことは絶対と教育された。エッチなことをしてくるなんて考えたこともありませんでした」とメールにつづった。小学6年の時、音楽の男性教諭から笑いながら胸を触られたという。「大人になって性的行為を受けていたと気付いた。何も言えない生徒にそんなことをして腹が立ちます」

 小学5年の時に、50代の男性教諭からセクハラをされたという30代女性。誰にも相談できず、我慢して登校し続けたつらい経験を明かし、「いまも悩んでいる女の子たちがたくさんいると思う。私になにができるだろう…」と自問した。

 福岡県内の父親は最近、中学2年の娘が担任の男性教諭からキスされたことが分かったという。突然のことにうろたえ、苦悩する胸の内を書いた。別の親は娘が男性教諭にわいせつ行為をされたが、学校の対応で二次被害に遭ったという。男性教諭は同僚の信頼が厚く、被害の訴えを誰も信じてくれなかったばかりか「学校長からは精神科に行くよう勧められた」。娘は教師不信で不登校になり、リストカットを繰り返した。

 教師への恋愛感情を利用され、わいせつ行為を受けたとの声もあった。10代半ばで男性教諭と性的関係を持った30代女性は「彼がしたことは犯罪だったと、今は落ち着いて理解できる。教職者から性暴力を受けた被害者は、ずっと罪悪感に苦しめられる」。

 教師と生徒の力関係がより強く表れる部活動については、「女子の指導は女性教諭がするよう義務付けないと被害はなくならない」という指摘も。「教師と生徒が個人的にメールや携帯電話でやりとりをしていること自体がおかしい」という意見も寄せられた。

 70代の女性から届いた手紙には、小学生のときに男性教諭から受けたわいせつ被害が切々とつづられていた。教職員の“裏切り”が、幼心にいかに深い傷を残すのか。「むかし昔の体験ですが、人生の汚点としていまも心の傷は深く、癒えるものではありません」。ドイツ在住の50代女性は「性暴力が重大な犯罪で人権侵害であることを、多くの人が認識してほしい」と願った。

=2016/07/25付 西日本新聞朝刊=

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