東大新たに論文不正か…細胞研究、調査委設置へ
読売新聞 2016/11/5(土) 10:20配信
東京大は4日、同大医科学研究所の男性教授らが執筆した科学論文1本の内容に疑義を示す告発が寄せられたとして、調査委員会の設置を決めた。
1日には、実験データを示す画像に不自然な加工があることなどを理由に、掲載雑誌が論文の撤回を発表している。東大は学外の有識者を交え、原則150日以内に不正の有無を判断する。
東大は今年9月、医学・生命科学系の別の教授らによる論文計22本についても調査委の設置を決めており、所属研究者による研究不正の疑いへの対応に追われている。
関係者によると、医科研の論文は2011年に海外の科学誌に掲載されたES細胞(胚性幹細胞)の性質に関する研究で、今年10月までに2度の告発が東大や文部科学省に寄せられた。東大は告発内容を精査した結果、調査委による関係者の聞き取りや資料・実験データの検証が必要と判断した。
東大の広報担当者は読売新聞の取材に対し、「調査の具体的な内容には答えられない」と話している。