思春期うつ「根拠説明なし」/青森中2自殺、遺族に審議会

思春期うつ「根拠説明なし」/青森中2自殺、遺族に審議会
Web東奥 2017/6/1(木) 11:26配信

 青森市立浪岡中学校2年・葛西りまさん=当時(13)=がいじめを訴えて自殺した問題で、遺族は31日、りまさんに「思春期うつ」だった疑いがあるとした根拠について、市いじめ防止対策審議会(会長・櫛引素夫青森大教授)から説明を受けた。父・剛さん(39)は報道陣に「思春期うつになり得る要因として、容姿の一部にこだわりがあったという説明」と明らかにした上で、「内容が一般論で根拠の説明は何一つなかった」と述べた。
 現審議会は31日で全員が任期満了を迎えた。市教委が選任中の新たな委員に関し、剛さんは一部委員を遺族側で推薦したい−旨を市教委に打診する意向を示した。いじめに関する専門家を想定しているという。
 遺族は青森市役所浪岡庁舎で櫛引会長ら委員2人と面会。精神科医委員は同席しなかった。思春期うつの根拠について、剛さんは「判断の基にしたとの専門書を見せてもらったが一般論ばかり」と述べた。
 また、剛さんは、娘が容姿の一部に関するいじめを受けていたと聴いたことがある−とした上で、「(審議会は)容姿の一部を気にしていたことを『こだわり』と表現し、うつの要因になり得るとの説明だった」と明らかにした。
 現審議会は委員7人のうち、精神科医は1人。思春期うつに関する審議会の説明を聴く中で、剛さんは「審議会で議論にはなったが、専門家が発言したとなれば異論がなければそれを認めるしかないとのことで、ある意味(専門家の発言は)半強制的と感じた」とも述べた。
 また、第三者委員会の制度について、「会長もたびたび『権限がない』と言うなど疑問を持っていた」と指摘。「どこに問題があったのか公表し、改善のための力にしてほしい」と櫛引会長に注文を付けた。
 櫛引会長は取材に「(遺族への説明は)審議会としてできることはしたが、十分だったと胸を張れる状況ではない」と答えた。

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