特別支援生徒が10キロ走で熱中症、重体に 体罰認める
朝日新聞デジタル 2017/8/25(金) 23:13配信
東京都教育委員会は25日、知的障害特別支援学校の都立永福学園(杉並区)で高等部1年の男子生徒(15)がバスケットボール部の部活動中に熱中症で、意識不明の重体になったと発表した。顧問教員に罰として科された約10キロのランニング中だったといい、都教委は「過度の負担をかける不適切な指導だった」として体罰にあたると認めた。
都教委によると、男子生徒は23日午後4時ごろ、同校の敷地内で校舎の外周(約450メートル)を約20周走った後、脱水症状のために倒れた。その後、救急搬送中にけいれんを起こし、意識を失ったという。
男子生徒は、21日の部活動で校舎の外周を走った際、顧問の男性教諭(31)が設定した時間(1分25秒)を43秒超過したとして、ペナルティーとして43周のランニングを科された。しかし、この日は21周までしか走れず、23日に残りの22周分を走ると教諭に申告し、教諭も承諾。生徒は2周ごとに水分補給を受け、別の男性教諭(33)に伴走もされたが、教諭が伴走を外れた後、残り1周で発症した。
当時、杉並区内の気温は32度だったという。25日に記者会見した朝日滋也校長は「過度な練習が行われており、深く反省している」と陳謝。都教委は同日、警視庁に報告した。29日に都立校の全校長を集め、再発防止を徹底する。(伊藤あずさ)