京大助教、不正論文で受賞…学会が取り消しへ

京大助教、不正論文で受賞…学会が取り消しへ
読売新聞 2018/1/31(水) 18:01配信

 京都大iPS細胞研究所で起きた論文不正問題で、データの捏造(ねつぞう)や改ざんを行った山水(やまみず)康平・特定拠点助教(36)が論文の成果を基に、日本循環器学会の若手最優秀賞(賞金30万円)を受賞し、国の研究助成事業(3年間で最大3000万円)にも採択されていたことがわかった。

 学会は賞を取り消し、賞金返還を求める検討を始めた。京大も国の助成事業を辞退する方針。

 同賞は心臓や血管などの循環器学分野で独創的な研究成果を上げた40歳未満の若手研究者が対象。候補論文を毎年募集し、優秀な論文の著者を表彰している。

 学会によると、山水助教は2016年夏、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使い、脳に異物が入り込むのを防ぐ脳血管の働きを再現したとする論文で学会賞に応募。昨年3月、最優秀賞に選ばれた。論文は賞に応募後、米科学誌に掲載されたが、京大の調査で今月、データ捏造などが発覚。京大は科学誌の出版社に論文の取り下げを申し出た。

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