20代女性講師は「不適切な指導」 鏡石一小・給食問題で報告書
福島民友新聞 2018/5/9(水) 10:16配信
鏡石一小(鏡石町)の1年生の担任だった20代女性講師=当時=が、古くなった給食のパンなどを児童に食べさせたとされる問題で、町教委が設置した第三者委員会(佐藤睦子委員長)は8日、「不適切な指導があった」とする調査報告書を公表した。
町公民館で記者会見した佐藤委員長らによると、講師は前日以前に出された牛乳やパンなどの給食を児童の前に出して「もったいないね」と声掛けしたことが複数回あり、食べた児童も複数人いた。第三者委は「給食の残りを教室に残していたことは学校給食衛生管理基準に反し、明らかに不適切な指導」と判断。講師は食べさせるつもりはなかったと説明したが、児童が「食べなさい」と言われていると感じているかもしれないことに講師が思い至っておらず、配慮を欠いていたとした。「カビが生えたパンを食べさせられた」とする児童らの証言は、講師や児童らとの話に整合性がとれなかったため、第三者委は認定しなかった。
第三者委は原因として、講師が給食を残さず食べさせることなどを重視し過ぎた、対処方法を他者に尋ねなかった、自身の指導を児童がどう受け止めるかということに考えが及ばなかった、講師への研修や支援体制の不備―を挙げた。報告書には学校給食衛生管理基準などの周知徹底や新任講師への充実した研修など、再発防止に向けた提言も盛り込まれた。