高3女子自殺:両親、人権救済申し立て 「いじめの事実認めて」 癒やされぬ思い、学校に訴え /新潟

高3女子自殺:両親、人権救済申し立て 「いじめの事実認めて」 癒やされぬ思い、学校に訴え /新潟
毎日新聞 2013年4月1日(月)15時56分配信

 県内の県立高校3年の女子生徒(当時17歳)が自殺し、両親が「学校でいじめがあった」として、県弁護士会に人権救済申し立てをした問題で、女子生徒の両親が31日までに毎日新聞の取材に応じた。両親は娘の悩みに気づいてやれなかったという自責の念にさいなまれながら、「教育現場がいじめの事実を認め、現場の体制を変えないと同じ悲劇が繰り返される」と学校や県教委に対し、癒やされることのない心情を訴えた。【塚本恒】
 同会などによると、女子生徒は高校1年の時から体臭に関する陰口を言われたり、あだ名で呼ばれたりしていた。女子生徒は10年6月7日、自室で首をつって死亡。後日、自室からいじめをほのめかす遺書が見つかった。両親は翌年夏に同会に人権救済を申し立てた。同会は今月25日に「いじめがあったと評価できる」として学校に再発防止を求める勧告書を提出した。
 母親(55)が女子生徒の異変を感じたのは、命を絶つ前日の日曜夜だった。友人との買い物から帰ってきた女子生徒に「楽しかった?」と聞くと、「それなりに」とどこか元気のない返事が返ってきた。「いつもは『楽しかった』と明るく答えるのに」。母親が不安を感じた直後の翌日未明、女子生徒は帰らぬ人となった。
 女子生徒の通夜後、両親は仲の良かった同級生から「女子生徒はいじめられていた」と打ち明けられた。遺品の整理をしていると、ゴミ箱からピンク色の蛍光ペンで書き殴られたA4サイズのメモ1枚が見つかった。
 「なぜ私はくさいのですか。なぜ私はみんなと違うのですか。どうして私は嫌われるのですか。私は来週死にます」。父親(54)は「一緒に食事や旅行に行くなど、同年代の娘を持つ家族としては仲が良かった。娘の気持ちに気づいてやれなかったのが悔しい」と、今も続く苦しい胸の内を明かす。
 両親は自力で女子生徒の友人らに聞き取りをし、娘が体臭やあだ名で悩んでいたことを突き止めた。しかし、学校側は11年1月、「(女子生徒が)あだ名で呼ばれていた可能性を否定できない」としながらも、「いじめの事実は認められない」とする調査報告をまとめた。
 両親は学校が実施した同級生へのアンケート結果を明らかにするよう県教委に個人情報開示請求をしたが、示された文書は回答欄がすべて黒塗りだった。両親が繰り返し学校に問い合わせをすると、当時の校長から「私たちは娘を亡くしたことがありませんから」と心ない言葉を投げかけられたという。両親は「学校はもういじめはなかったことにしたいのだろう」と肩を落とした。
 自宅には女子生徒の自殺から2週間後に届いた観葉植物が、今も大切に育てられている。生前、女子生徒が注文していた「父の日」のプレゼントだ。「つらいですよ。今も娘は生きていると思ってしまう。どうして娘は死ななければならなかったのか」。父親は唇をかんだ。
 県教委は学校が行った当時の調査が適正だったとしながらも、県弁護士会の勧告書を受け「第三者の目を入れて再度調査をする」とした。学校側も「県教委と一緒に調査をしたい」と応じた。父親は「娘に対するいじめの事実、いじめと自殺の因果関係を明らかにしてほしい」と願っている。
4月1日朝刊

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする