青森・浪岡中2女子自殺/市審議会いじめとの因果関係認める 学校側対応は「形骸化」

青森・浪岡中2女子自殺/市審議会いじめとの因果関係認める 学校側対応は「形骸化」
Web東奥 2018/8/2(木) 12:41配信

 2016年8月、青森市立浪岡中学校2年の葛西りまさん=当時(13)=がいじめを訴えて自殺した問題で、市いじめ防止対策審議会(会長・野村武司弁護士)は2日午前、「自殺の主要な原因はいじめであると考えられる」とする最終報告書を成田一二三市教育長に答申した。学校側については、組織的かつ具体的な対応がなされていなかったと指摘した。

 報告書はA4判210ページ。報告書では、りまさんが1年時に同級生から受けたいじめによるストレスで心身症の一つである「起立性調節障害」を発症、それに伴う成績の低下やLINE上でのいじめなどが原因となり、「うつ状態」になったと記述した。前審議会が報告書原案に記載したりまさんの「思春期うつ」を原因とする記述はなかった。

 学校側の対応に関し、「いじめ防止の方針や組織が形骸化しており、教員の個人的な知識やスキルに基づいた対応に頼る状況だった」とした。

 市教育研修センターで野村会長から報告書を受け取った成田教育長は「報告書の内容を受け、反省すべきところは反省し謝罪すべきところは謝罪した上で、このような事態が二度と起こらないよう迅速に対応していきたい」と話した。

 りまさんの自殺を巡っては前審議会委員らが、16年9月から調査を開始した。「思春期うつ」が自殺の背景の一つであるとする報告書原案を作成したが、遺族側は「根拠がない」などと反発。答申前に全委員が任期満了で退任し、県外在住者で構成する現メンバーに交代して調査を再開、これまでに10回会合を開いた。

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