川口市立中いじめ 市教委対応に母が疑問視
産経新聞 2018/10/31(水) 7:55配信
川口市立中学3年の男子生徒(15)が入学当初から同級生らにいじめを受け、3回にわたって自殺未遂を図っていた問題で、同市教育委員会は30日、昨年11月2日に初めて開いたとする「第三者委員会」の設置に関する内容を市教委の公式サイトの会議録に掲載しなかったことについて、「生徒の保護者の『大事(おおごと)にしたくない』との要望をくんでのこと」と述べた。
川口市役所で同日、市教委の山田浩一学校教育部長や岩田直代指導課長、三浦伸之教育研究所副所長が記者団に明らかにした。
市教委によると、これまで設置した第三者委は全部で3件。そのうち2件は委員の氏名や肩書が公開されているが、対象生徒が推測されるような記載は一切ない。それにもかかわらず、設置そのものを掲載しなかった合理的な説明はなかった。
また、山田部長は「11月2日(の市教委定例会)に(第三者委を)立ち上げるという報告をした」とする一方、同日に初めての第三者委を開き、「委員にその場で委嘱状を渡した」(岩田課長)と述べるなど、整合性の取れない説明に終始した。
一方、生徒の母親(43)は30日、産経新聞の取材に応じ、「そもそも『大事にしたくない』と言っていない」と反発。続けて、「仮に第三者委が行われているのであれば、なぜ一度も私に説明や報告ができないのか。やはり(第三者委は)設置していないと考えるのが自然だ」と市教委側の言い分に疑問を呈した。