特別支援学校の34歳教諭逮捕 小学生男児に強制性交容疑
毎日新聞 2019/3/19(火) 5:01配信
地域活動で小学生男児に性的な行為をしたとして、愛知県警は18日、愛知県立港特別支援学校の元教諭、横井正行容疑者(34)を強制性交等容疑で逮捕した。捜査関係者への取材で判明した。
愛知県教育委員会は15日、男児にわいせつ行為をしたとして横井容疑者を懲戒免職処分としたが、県警は被害児童の訴えを受け、より悪質な行為をした疑いが強いと判断した。
捜査関係者によると、逮捕容疑は昨年10月、私的に参加したボランティア団体主催のキャンプで深夜の見回り時に男児に性的な行為をしたとしている。
県教委は15日、この男児を含め、2015年から昨年10月までに同様のキャンプや私的旅行で男児計7人の下半身を触ったとして、横井容疑者を懲戒免職処分とした。横井容疑者は県教委に「いたずらのつもりで触り始めたが、続けてしまった」と説明していた。
県警は横井容疑者が長期間、指導者の立場を悪用していた疑いがあるとみている。
強制性交等罪の立件には暴行や脅迫の存在が必要だが、被害者が13歳未満の場合は、判断能力が未熟な児童を保護する趣旨から、脅迫・暴行がなくても適用される。【井口慎太郎、高井瞳】
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男性から男児の性的被害、トラウマ深刻 元特別支援学校の教諭逮捕
毎日新聞 2019/3/19(火) 5:01配信
愛知県警は18日、地域活動で小学生男児に性的な行為をしたとして、愛知県立港特別支援学校の元教諭、横井正行容疑者を強制性交等容疑で逮捕した。虐待やいじめによるトラウマの電話相談を行うNPO法人「日本トラウマ・サバイバーズ・ユニオン」(東京都)の斎藤学理事長(精神科医)は、性的な被害を受けた児童について「心に深い傷を負い、日常生活に大きな支障が出る」と指摘する。被害を周囲に明かせず孤独感を抱くため友人づくりでハンディを背負うケースが目立ち、特に男性から性的被害を受けた男児にその傾向が強いという。
警察庁によると、昨年の強制性交等事件の認知件数は1307件で、うち被害者が13〜19歳は388件、12歳以下は151件。2017年7月の改正刑法施行で、強制性交等罪(旧・強姦(ごうかん)罪)での起訴に被害者の告訴は必要なくなったが、性犯罪は一般的に密室で起こり、立件に被害者の協力は不可欠だ。ただ、性犯罪被害に詳しい上谷さくら弁護士によると、児童が被害者となる場合、心の傷や捜査に協力する負担、世間体を心配し、保護者が警察への届け出をためらうことが多い。
児童自身が状況を把握できなかったり、怒られると思い相談できないこともあるほか、保護者が事実を受け止められないケースもある。認知件数に表れない被害が生じている可能性は高いという。
横井容疑者のケースも愛知県教育委員会の処分理由で被害児童は7人だったが、このうち警察に被害届を出したのは、逮捕容疑の男児1人だけだった。
上谷弁護士は「自分の体を他人が勝手に触ってはいけないことを教えることが大事」と幼児からの性教育を提唱する。スクールカウンセラーや24時間対応の児童相談所の全国共通ダイヤル(189)利用を呼びかけ、保護者が児童の変化に注視する重要性も説く。
【高井瞳、井口慎太郎】