体罰部員「けがなし」一転 平手打ち10回超で意識喪失、救急搬送も 市尼崎高バレー部

体罰部員「けがなし」一転 平手打ち10回超で意識喪失、救急搬送も 市尼崎高バレー部
神戸新聞NEXT 2019/5/16(木) 6:05配信

 兵庫県尼崎市立尼崎高校の男子バレーボール部でコーチを務める男性臨時講師(28)が3年生部員に体罰をした問題で、同市教育委員会は15日、部員は顔を10回以上平手打ちされ、20〜30分間意識を失っていたと発表した。部員が、左耳の鼓膜損傷や脳振とうなどで全治2週間と診断されていたことも明らかにした。

 市教委は9日の会見で、学校からの報告に基づき「けがはなかった」と発表していたが、訂正した上で謝罪。校内で隠蔽(いんぺい)があった可能性もあるとみて改めて経緯を調査し、ほかに体罰がなかったかも調べる。

 市教委によると、部員は4月29日、同校体育館での練習中に10回以上平手打ちされ、20〜30分間意識が戻らなかった。その間、講師は部員に声を掛けたり、別の校舎にいた男性監督を呼びに行ったりしていた。

 部員は意識が戻った後、練習はせず教官室などで休んでいた。帰宅後、「頭が痛い。耳が聞こえにくい」と訴え救急搬送された。部員の家族は鼓膜の裂傷が判明した同30日、監督と講師に連絡。部員は5月2日から練習に復帰したという。

 校長ら学校側は同7日に匿名の電話で体罰を把握。講師と監督への聞き取りで「けがはなかった」と判断し、市教委に報告した。

 また市教委はこの日、これまで講師が平手打ちした理由を「部員にボールの片付けで緩慢な態度があった」としていたが、他の部員から「(体罰を受けた部員は)後輩を指導していてボールが転がっているのに気付かなかった」と指摘があったと明らかにし、改めて事実を確認するとした。

 同校は昨年7月の全国高校総合体育大会(インターハイ)で初優勝した強豪。(初鹿野俊)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする