「部活動全員加入」「休み時間は必ず外遊び」“謎ルール”に保護者も生徒も悲鳴〈AERA〉

「部活動全員加入」「休み時間は必ず外遊び」“謎ルール”に保護者も生徒も悲鳴〈AERA〉
AERA dot. 2019/9/8(日) 8:00配信

 夏休みが終わり、学校生活が再開した子どもたちも多いだろう。自由だった休み期間に比べて、がんじがらめの不自由さを感じるのが学校生活。なぜなら、この規則はなんのために?と、疑問を抱くような校則や決まりごとが山積みだからだ。

 中学3年の息子をもつ岩手県の父親(52)がおかしいと感じるのは、部活動全員加入のルールだ。

「入学説明会で生徒全員が部活動に入るよう言われました。生徒会則にも規定があります」

 昨今は、学校の部活動よりも地域のクラブチームで活動したい子もいる。ありきたりなスポーツ中心の部活動ではなく、多様な習い事に力を入れたい子もいるし、入りたい部がない子もいる。だが、そんな事情はお構いなしだ。部活動に入ると、親も手伝いをしなければならないケースや、部費や遠征費がかかるケースも多い。家庭によっては参加が難しいこともあるが、それも考慮はされない。

「とにかく全員に加入を強いるのはおかしい。一刻も早くやめてほしいです」

 学習指導要領には、部活動は「生徒の自主的、自発的な参加により行われる」と記載されている。なのに、明確な理由もないまま「この学校の伝統」ということで、全員参加が強いられるのは明らかな矛盾であり、説明がつかないだろう。

 おかしいと感じる大きなポイントは、このように個別事情を考慮しない「全員横並び」だ。
先生の目を気にする

 小学2年と3年、中学1年の子をもつ横浜市の父親(48)がおかしさを感じるのは、強制的な「集団登校」。この小学校では集団登校から抜けると、学校の電話連絡網からはずされてしまい、災害で休校になるときなどの情報が入らない、というペナルティーもある。

 さらに、保護者が当番で集団登校の引率をすることも強制的に決められている。順番が回ってくると1カ月間、毎朝子どもたちを引率しなければならない。

「事情で当番をできない場合は、代わりの人を自分で手配しなければならないのですが、そう簡単には見つかりません。大きな負担です。単独登校でいいと思うのに、集団登校が慣習になっていて、異議申し立てもできず困っています」

 休み時間は必ず「外遊び」というルールがあるところも。小学3年と6年の子をもつ東京都の母親(48)は、学校への不信感を募らせる。小3の娘は、外遊びも好きだが、時には教室で読書をしたり、友達と室内ゲームをしたりしたいときもあるという。だが、中休みに教室にいると、担任の先生から、

「外へ遊びに行きなさい」

 と言われた。それから、先生の目を気にしてしまい、気分がのらない日も外遊びせざるをえず、苦痛になっているという。

「以前、上の子が『休み時間はどう過ごしても自由じゃないんですか?』と聞いたら、先生は黙ったそうです。私も個人面談で担任に理由を聞きましたが、曖昧な返事しかもらえませんでした。先生が『子どもは風の子』と思い込んでいるだけではないでしょうか」

 理由がないのに続いているというルールが学校には多い。黙って掃除、もその一つだ。

「“無言清掃”のルールはなぜあるのかわからない。黙って自分と向き合うのは大変いいことだが、掃除中にやらなくてもいいと思う。子どもたちが少しでもしゃべると『掃除をサボるな!』と怒る同僚に呆れています」

 と言うのは、長野県の公立小学校の教員の女性(43)。「無言清掃」はおかしいという教員はほかにもいた。保護者が知らない、こんなルールは他にもある可能性がある。

7月末には、反対の声も上がった。都立校の一部で行っている、地毛が茶色い生徒に髪を黒く染めさせる指導をやめさせてほしい──。NPO法人フローレンスの駒崎弘樹代表理事や、黒染め指導を受けた経験のある女性らが東京都教育委員会に要望書と署名を提出した。髪の毛を染めたり、パーマをかけたりしていないかを確認するため、「地毛証明書」を出させている学校もあった。

アエラネットのアンケートや取材では、ほかにも保護者、教員双方からいくつもの「おかしなルール」が挙げられた。

「プールの授業を休むとペナルティーがある。女子が生理で休んだときも同様」(女性28歳、東京都、公立高校教員)

「中学校なのにハサミの持ち込みが禁止。幼稚園でも使っていたのに」(女性40歳、鹿児島県、子ども中3)

(ライター・大塚玲子)

※AERA 2019年9月9日号より抜粋

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