埼玉・川口の中3女子自殺 市がいじめ認定 第三者委報告書公表せず

埼玉・川口の中3女子自殺 市がいじめ認定 第三者委報告書公表せず
毎日新聞 2019/5/31(金) 20:21配信

 埼玉県川口市で2017年5月に市立中学3年の女子生徒(当時14歳)が自殺した問題で、市の第三者委員会が18年1月、同級生からのいじめが自殺の一因になったとする報告書をまとめていた。市教育委員会などへの取材で判明した。

 報告書によると、生徒は中学1年の頃から、同じ部活の同級生と人間関係のトラブルがあった。第三者委は、同級生に無料通信アプリ「LINE」で「うざい」と書き込まれたことや「まじ殺す」と別の友人に話したことなど6件の行為をいじめと認定し、「生徒が孤立感を深めたことが(自殺の)要因の一つと考えられる」とした。

 また、部活の顧問や担任教諭がトラブルを把握して2人を指導していたが、根本的な解決に至らなかったとして「組織的な指導体制が十分に機能していたとは言えない」と結論づけた。

 市教委の三浦伸之指導課長は報告書を公表しなかった理由について「ご遺族の意向を踏まえた」と説明したうえで、「今後こういうことが起こらないよう学校を啓発していきたい」と話した。

 遺族は今年4月、同級生側に約9700万円の損害賠償を求めてさいたま地裁に提訴している。【中川友希、鈴木拓也】

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