学校徴収金 止まらぬ不正流用 18、19年度に23人処分 現金扱い慣習化/「1人で管理」多く
茨城新聞クロスアイ 2019/6/23(日) 6:00配信
PTA会費や給食費など、保護者から集める学校徴収金の不正流用が県内で目立つ。茨城県教委が2018、19年度に不正流用で懲戒免職にした教職員は3人。付随して校長ら教員20人が減給などの処分を受けた。事務職員は現金の管理を1人で担いがちで、管理職が確認を怠るケースも多い。防止に向け、インターネットで口座を管理して現金扱いをやめる学校も出てきた。県教委も校長らに管理を徹底するよう通知するなど、対策に本腰を入れている。
■少ない事務職員
県教委によると、18年度に不正流用によって懲戒免職となった教職員は3人で、付随して校長ら12人が監督責任を問われ懲戒処分を受けた。同年度は教職員全体の懲戒処分者数が過去最多の31人に上り、このうち約半数が不正流用絡みの処分だった。本年度も4月、既に退職した事務職員によるPTA会費などの私的流用が発覚。この件で県教委は当時の校長ら8人を減給処分にした。
不正流用が相次ぐ背景には、学校に配置される事務職員が少なく、現金管理を実質的に1人に任せがちな現状がある。徴収金は、保護者や生徒が現金で学校に持参し、教員や事務職員が金融機関に行って学校の口座に振り込む手順を取る所が多い。県教委は「慣習で現金取り扱いを続ける学校が多く、処理方法の統一もされていない」と説明する。
事務職員1人で全ての処理を担う学校も多い。事務処理の最終確認は管理職が行うことになっているが、本年度発覚した事案では、事務職員が校長印を管理し、決裁を代行。校長は県教委の聞き取りに「信頼して任せていた」と述べた。
■ネット活用
不正防止に向け、現金扱いをやめる学校が出てきた。
古河市立総和南中は、県内の学校で初めて、徴収金をインターネットバンキングで管理できるシステムを導入。徴収金は保護者が学校の口座に振り込む形に切り替えた。インターネット上で誰がいつ振り込んだか確認できるほか、学校の代表口座から「PTA会費」や「教材費」など各口座への振り分けも学校のパソコンからできる。
森田泰司校長は「確実に通帳にお金の流れの記録が残るので、間違いがなくなる。職員の手間も省ける」とメリットを説明する。
一方、県教委は徴収金の扱い方を統一しようと、ガイドラインを策定、4月に各学校に配った。ガイドラインでは、徴収金を口座振替で管理したり、複数人で事務処理を管理したりするよう求めている。県教委は「引き続き不正流用防止のため指導を続ける」と語った。(成田愛)