慶応幼稚舎教員が禁じられた受験生への個別指導を行っていた
文春オンライン 2019/7/31(水) 16:00配信
小学校受験で全国屈指の人気を誇る慶応義塾幼稚舎。その現役教員が、学校の内規で禁止されている受験前の児童への個別指導を行っていたことが「週刊文春」の取材で分かった。
実際に指導を受けた児童の保護者によると、この教員は指導の見返りとして、受験生の親からお菓子などの品物のほか、1回につき5万円から10万円の謝礼を受け取っていたという。
「A先生は60代前半で、現在一年生の担任をしています。少なくとも5年前から受験生への個人レッスンを行っており、毎年10人程度を教えていると聞きました。指導の定番は公園で受験生の子供を遊ばせること。その行動を慎重に観察して、親にアドバイスします」(現役児童の保護者)
小誌は7月の平日に、都内の公園で実際に指導を行っている様子を確認。指導後、A先生は受験生の母親から、ローストビーフが入った紙袋を受け取っていた。
慶応幼稚舎のホームページ内の「入学試験について」の項目には、次のように明記されている。
〈入学試験に関するご質問やご相談について、舎長および教職員は、公私にかかわらず一切お受けしません。受験に関連して、舎長および教職員へ金品を送ること、私宅を訪問すること、書状を送ることなどは固くお断りします。〉
A先生は週刊文春の取材に対し、次のように回答した。
――受験生に個人的に指導している現場を確認した。
「受験指導ではなく、子育ての悩みを聞いているレベルです」
――幼稚舎のホームページには「舎長および教職員と面会はできない」と明確に書いてあるが。
「オープンにやっているわけではなく、知り合いの人に言われて断れないってことはあるじゃないですか」
――金品は受け取っていない?
「もちろん食事したりとかね。休みの日に出てきてくれたから『先生、お菓子持ってきましたよ』ってのはある」
学校側にA先生の行為について問い合わせると、広報室は「お問い合わせの件につきましては、現在事実関係を確認中です」と回答。さらに前記のホームページ上の記載を引用し、「入学試験の公平性確保に努めております」と答えた。
8月1日(木)発売「週刊文春」では、個別指導時の写真とともに、A先生が児童に行っていた指導の具体的な内容、A先生が入学試験後に受け取る謝礼の金額や贈答品の内容などについて詳報する。