「いじめ見聞きした」100人が回答 全校生徒500人にアンケート 岐阜・中3死亡
毎日新聞 2019/8/8(木) 20:31配信
岐阜市の中学3年の男子生徒(14)が7月、マンションから転落死し、自宅からいじめを苦にしたメモが見つかった問題で、市教育委員会が設置した外部有識者5人による第三者委員会(委員長、橋本治・元岐阜大教授)は8日、市役所で第3回会合を開いた。全校生徒約500人に対し、委員会が実施したアンケートの結果、約100人が「いじめを見聞きした」と回答したことを明らかにした。
男子生徒は先月3日朝、自宅近くのマンション駐車場で倒れているのが発見された。自宅からは「自分が死ねばいじめた側は反省するかな」などと書かれたメモが見つかった。中学では5月末、同級生が男子生徒へのいじめを記したメモを担任教諭に提出。しかし、メモは校内で共有されずに廃棄されたことが明らかになっている。
アンケートは当初、3年生全員と、同じ部活に所属する部員計200人に実施するとしていたが、対象を拡大した。
8日の委員会は、非公開で2時間20分にわたり開かれた。終了後に取材に応じた橋本委員長はアンケート結果について「いじめを見聞きしたとの回答が約100人。さらに、いじめのうわさを聞いたと答えた生徒が約150人いた」と述べた。
委員会は今回の結果を受け、今月下旬から来月にかけ、いじめを見聞きしたと回答した約100人のうち、保護者の承諾を得られた生徒に対し、聞き取り調査を進める方針を明らかにした。橋本委員長は「いじめといってもいろいろあると思う」として、回答者から「見聞きした」という事例の日時、場所、様態などの詳細を聴取する考えを示した。
今回のアンケート結果について、岐阜大の近藤真庸教授(教育学)は「100人もの目撃者がいながら、担任教諭を含めた教員がいじめに気付いていなかったとすれば、目の前の子どもを見ていなかった、ということになる。あるいは、子どもたちは教師に言っても無駄だと感じていたのかもしれない。これまで学校が定期的に実施していたいじめの調査は機能していなかったのだろう」と指摘した。
市教委は「調査は継続中であり、現段階で市教委としてコメントする立場にない。調査を注意深く見守りたい」と話した。【高橋龍介、横田伸治】
◇「先生が子どもにおわびすべきだ」
教育評論家、尾木直樹さんの話 このようなアンケートで、100人もの生徒が「いじめを見聞きした」と答えた例は無いのではないか。まず、先生が子どもたちにおわびすべきだ。校長の「報告が無かった」というのは言い訳にならない。また、男子生徒を救えなかったと感じている子も多くいる可能性もあり、在校生の心のケアが必要だ。今後の検証も、スピード感を持ってやらなければならないと思う。