体罰の中学男性教諭を懲戒処分 大分県教委

体罰の中学男性教諭を懲戒処分 大分県教委
毎日新聞 2019/8/23(金) 22:23配信

 大分市の中学校で生徒に暴行して失神させ、傷害罪で略式命令を受けた男性教諭(60)が、定年後も正規教員として再雇用され、6月に別の生徒に体罰をしていた問題で、大分県教委は23日、この男性教諭を停職1カ月の懲戒処分とした。

 県教委の渡辺登・人事課長は記者会見で「昨年、体罰で懲戒処分を受けたにもかかわらず、再び同様の行為をした」と処分の理由を説明。一方で暴力事件を起こして刑事罰が確定した教諭を再雇用した問題については「この教諭を再雇用したのは誤りだった」としながらも「刑事罰を受けたことを理由に、今後再雇用しないわけではない」と繰り返した。

 県教委によると、教諭は柔道の有段者。昨年4月、自転車に乗った男子生徒の首をつかんで転倒させて失神させ、傷害罪で罰金20万円の略式命令を受けた。教諭は減給処分(10分の1、1カ月)とされたが、今年3月の定年後に再雇用された。

 教諭は大分県臼杵市の中学に赴任し、6月14日の放課後、教室で紙鉄砲を鳴らして遊んでいた生徒を後ろから引き倒し、首を片手で絞めて床に押さえつけて、首の捻挫など10日間のけがをさせたとされる。

 教諭は今月23日付で依願退職しており「自らの指導不足を痛感している。別な指導方法があったはずだった」と話していたという。【白川徹】

 教育評論家の尾木直樹さんの話 体罰で刑事罰を受けた教師だと知りながら再雇用した県教委には大きな問題がある。更に再雇用された教師がまた体罰をするなど前代未聞だ。県教委の対応について、文部科学省が調査を検討すべきではないか。

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