横浜高校野球部で暴言、暴力 責任教師、部員に「クビだ」

横浜高校野球部で暴言、暴力 責任教師、部員に「クビだ」
カナロコ by 神奈川新聞 2019/9/26(木) 3:00配信

 横浜高校(横浜市金沢区)の野球部で、責任教師の金子雅部長(42)が部員に対し暴言や暴力を繰り返しているとして、問題視する声が現役部員から上がっていることが25日分かった。平田徹監督(36)がこうした暴言を黙認し、自身も暴力を振るっていたという指摘もある。神奈川新聞の取材に複数の部員が証言した。学校側は「事実なのか調べなければいけない」としている。

 現役部員によると、金子部長が日常的に「死ね」「殺すぞ」「やめちまえ」「クビだ」といった暴言を頻発しているのを、多くの部員が見聞きしているという。また複数の部員が「金子部長が、平手で部員の胸の辺りを突き飛ばしているのを見たことがある」と話した。

 平田監督はこうした暴言や暴力を横で見聞きしていても黙認しているという。

 また別の部員は、今年8月中旬、平田監督が練習中に、約40人の全部員をグラウンドに集め、練習でミスを重ねた部員の首を両手でわしづかみにして揺さぶり「なんでできないんだ」「だから使いたくないんだ」などと罵倒するのを目撃した。部員の首筋に残った爪の跡を、複数の部員が「見た」と話している。

 神奈川新聞の取材に、金子部長は「『クビだ』は言ったかもしれないが『死ね』や『殺すぞ』は絶対に言っていない。手を出したことも一切ない」と答えた。その上で、「感情的になってしまい、自分自身を見失ったときもある。大いに反省しなければいけない」とした。

 平田監督は金子部長の言動について「見聞きしていない」と否定。自身の暴力については「つかんだのは首ではなく肩。首の後ろの傷は、私が付けたものではない、と言い切れない」と答えた。練習中に激高し物を投げつけたことがあるとした上で「チームの成績が悪く、横浜高校という名門の看板を背負うことによるプレッシャーもあった。私に人間力がないということ」と話した。

 横浜高校は「指摘されていることが事実なのか。どのような形で行われたのか。本校として調査する。できる限りの対応をしたい」(三原馨校長代理)としている。

 横浜高校野球部は、春夏5度の全国制覇を誇る高校野球界の名門。1968年からチームを率いていた渡辺元智前監督から2015年秋に平田監督が引き継ぎ、金子部長が就任した。16年から夏の神奈川大会3連覇を成し遂げたが、今夏は県立相模原高校に敗れ8強、県秋季大会も桐光学園に負け8強に終わった。

横浜高校野球部、当面は活動自粛 暴力・暴言告発問題受け
カナロコ by 神奈川新聞 2019/9/26(木) 12:10配信

 春夏合わせて5度の甲子園優勝を誇る横浜高校(横浜市金沢区)野球部の金子雅部長(42)、平田徹監督(36)による部員への暴力行為、暴言が告発された問題で、同校の三原馨校長代理(58)は26日、混乱を避けるために当面の間、野球部の練習と対外試合を自粛する方針を明らかにした。

 同校では同日午前、対応のための会議が開かれた。学校側は既に金子部長、平田監督への聞き取り調査を済ませたといい、内容については「調べられる限り調べていく必要がある。事実関係を調査中のため差し控えたい」(三原校長代理)とした。

 同校は今後、部員へのヒアリングを行っていくという。活動自粛の期間について、三原校長代理は「いつまで、という具体的なところはまだ決められない。まずは生徒たちを守らないといけない」と話すにとどめた。

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