「1年の時にも悪口」証言も 高2女子「自殺」から1年 第三者委の調査続くも最終報告は未定
上毛新聞 2020/2/1(土) 6:03配信
群馬県の勢多農林高2年だった女子生徒=当時(17)=が電車にはねられて亡くなり、第三者委員会がいじめの有無などを調査している問題で、調査の過程で「女子生徒は1年の時にも陰口や悪口を言われていた」という趣旨の証言が寄せられていることが31日、関係者への取材で分かった。第三者委は背景や事実関係を詳しく調べる方針。女子生徒が亡くなり1日で1年。両親や友人たちは今なお深い悲しみの中にいる。
◎悪口は確認できなかったと学校側は説明
第三者委は、同じクラスや部活で関わりのあった生徒計58人にアンケートを実施。生徒の一部には直接聞き取りも行った。こうした調査の中で、「女子生徒は1年の時にも陰口や悪口を言われたことがあった」という趣旨の証言があったとされる。第三者委は、これを含む情報を基に、いじめに当たるか、女子生徒の心身にどのような影響を及ぼしたかなどを詳しく調べる方針。
学校の基本調査は、2年生だった昨年1月18日の学校行事の準備を巡り、女子生徒に対して他の生徒から否定的な発言があり、一部の行為をいじめと認定している。その上で学校側は、同3月の記者会見で「それ以外の学校生活で(継続的な)いじめはなかったと考えている」「悪口を聞いた、言ったという事実は確認できなかった」などと説明していた。
女子生徒は同2月1日夜に自宅近くの踏切で電車にはねられ、亡くなった。自殺とみられる。死後、自宅からいじめに悩んでいたことをうかがわせるメモ二十数枚が見つかった。
◎「時止まったまま」 家族や友人の悲しみ深く
亡くなって1年を迎えるのを前に、女子生徒の父親(63)は「あれから時が止まったまま。踏切に向かった時、どんな気持ちだったのか」と話した。2日には家族だけで一周忌をするという。
友人たちもあらためて悲しみを口にする。友人の一人は「彼女をこれからも忘れないでいたい」とし、別の友人は「今もたまに彼女の夢を見て、楽しかった時間をふと思い出す」と語った。高校の同級生の有志は一周忌に合わせ、女子生徒が好きだった花を用意したという。
県教委はいじめ防止対策推進法が規定する「重大事態」と認定し、第三者委の「県いじめ問題等対策委員会」がいじめの有無や死亡との関連性についての調査を行っている。第三者委は年度内に経過報告をまとめる方針。最終的な報告の時期は未定としている。