神戸垂水・中3女子自殺和解へ 神戸市会、全会一致で可決

神戸垂水・中3女子自殺和解へ 神戸市会、全会一致で可決
神戸新聞NEXT 2020/2/25(火) 12:32配信

 神戸市垂水区で2016年10月、市立中学3年の女子生徒=当時(14)=が自殺した問題で、同市は25日、遺族に解決金2025万円を支払い和解することを決めた。同市会で同日、訴訟を経ず和解する議案が全会一致で可決された。問題を巡っては、市教育委員会がいじめの調査メモを隠蔽したことが発覚していた。

 自殺直後に市教委が設置した第三者委員会は、いじめと自殺の直接の因果関係を認めず、遺族が再調査を要求。

 市が設けた再調査委員会は昨年4月、いじめが自殺の大きな要因とする報告書をまとめた。いじめ防止の対策も提言した。

 市教委によると、市も遺族も訴訟によらない解決を望み、解決金は生徒の死亡やメモ隠蔽などを踏まえて算出。再調査委の提言の実現も和解の条件となった。

 市会本会議では一部議員が「メモ隠蔽など賠償の一部は、対応した職員に求めるべきでは」と指摘。長田淳教育長は「公務員の求償権の対象になるのかどうか、専門家の意見も踏まえ適切に対応する」とした。

 生徒の母親は「神戸市では教員間のいじめなども報じられており、報告書が生かされているとは思えない」「二度と娘のような悲惨な事件が起こらないよう、日々の教育にあたっていただければ」とのコメントを出した。(石沢菜々子、井上 駿)

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