生徒無理やり立たせあざ 不登校、PTSDに 熊本・特別支援学校の女性教諭懲戒
毎日新聞 2020/7/7(火) 20:32配信
熊本県教育委員会は7日、県立特別支援学校の女性教諭(37)が生徒1人を強い言葉で指導し、無理やり立たせた際に腕にあざを作ったなどとして、減給10分の1(3カ月)の懲戒処分にした。生徒は不登校になり、指導が原因で心的外傷後ストレス障害(PTSD)などになったと診断され、現在も入院している。
県教委によると、生徒は中等部以上に在籍。教諭は2018年4〜11月、着替えや掃除中に座り込んだり横になったりした生徒に、「立たんね」などと強い口調で言い、無理に体を抱き上げて立たせるなどした。同12月にはマラソン大会の練習で走ろうとしない生徒に「走らんね」と何度も強く言い、体を引き上げ、背中を押して走らせた。生徒が嫌がったため保護者が体育の授業を見学させるよう申し入れても、教諭は無理に参加させた。同20日には、生徒の右脇腹と右腕に無理に立たされた際にできたとみられる青あざが見つかった。
教諭は19年2月26日にも、生徒を無理に体育館などに連れて行き、学校行事のリハーサルに参加させるなどした。生徒は別の教諭に「先生がたたいた」などと伝え、家族にも「グーで殴られた。嫌だった」と言った。
生徒は次第に登校をしぶり、同3月4日から不登校に。従来は自力でできた食事や着替えにも介助が必要になり、19年11月から入院している。
県教委によると、教諭は生徒を立たせた際に体にあざができたことは認めたが、殴るなどの体罰を加えたことは否定したという。古閑陽一教育長は「不適切な指導により被害を受けた生徒、保護者に深くおわびする」とのコメントを出した。【山本泰久】