アイス無断飲食に激高の元教諭に懲役2年求刑

アイス無断飲食に激高の元教諭に懲役2年求刑
産経新聞 2021/1/21(木) 20:23配信

 兵庫県宝塚市立長尾中で昨年9月、顧問を務めていた柔道部の生徒2人に体罰を加え重軽傷を負わせたとして、傷害罪に問われた元同校教諭、上野宝博被告(50)=懲戒免職=の初公判が21日、神戸地裁(国分史子裁判官)で開かれた。上野被告は起訴内容を認め、「本当に申し訳ないと思っている。精神的にも肉体的にもひどいけがをさせてしまった」と謝罪した。検察側は懲役2年を求刑、弁護側は執行猶予付きの判決を求め、即日結審した。判決は来月15日。

 上野被告は事件当時、1年生の男子部員2人が校内の冷凍庫で保管していたアイスクリームを無断で食べたことに激高、体罰に及んだ。被告人質問では「悪いことをしたと分かってもらうために強い指導をしたが、それは指導ではなく体罰だと思う」と供述した。

 検察側は「体罰が正当化されることはない」と指弾。弁護側はすでに免職処分となっていることを踏まえ、猶予判決を求めた。

 起訴状などによると、上野被告は昨年9月25日、同校の武道場で2人に投げ技をかけて体を床に打ちつけたり、両頬を殴打したりして、1人に背中の骨を折る重傷を負わせ、もう1人にもけがをさせたとしている。

 兵庫県宝塚市の中学校で、柔道部員の1年男子2人に柔道技をかけて背骨を折るなどの重軽傷を負わせた傷害容疑で顧問教諭の上野宝博容疑者(50)が兵庫県警宝塚署に逮捕されたことを受け、競技を統括する全日本柔道連盟も調査に乗り出し処分を検討することが19日、明らかになった。全柔連の中里壮也専務理事がオンラインで取材に応じ、「なるべく早く調査に取りかかる」と話した。
 上野容疑者は9月25日、校内の冷凍庫で保管していたアイスキャンディーを部員の生徒2人が無断で食べたとして立腹。他の柔道部員の目前で柔道の投げ技や寝技を連発して負傷させた。生徒の1人は絞め技で失神した後も平手打ちで無理やりに起こされ技をかけられ続けたといい、胸椎骨折で全治3カ月の重傷。もう1人は首を打撲する軽傷を負った。
 全柔連は指導における体罰や暴力行為を禁じており、違反した場合は指導者登録停止などの処分を科す可能性がある。
 今回の件についても、コンプライアンス委員会を中心に調査委員会を立ち上げ、聞き取り調査などを行う見込みだ。中里専務理事は「加害者の人権もあるので(処分決定まではヒアリングなどの)手順を追わないといけない。ただ、加害者は今(警察に)身柄を拘束されているので直接面会できるか。制約がある中でいろいろ調べていく」と話した。

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