免許失効教員61人、官報に未掲載 大半がわいせつ事案

免許失効教員61人、官報に未掲載 大半がわいせつ事案
朝日新聞デジタル 2021/3/5(金) 17:49配信

 懲戒免職処分を受けて教員免許が失効したのに、教育職員免許法が定める官報への氏名掲載が行われなかった教員が2019年度までの10年間、10都道府県で61人いたことが、文部科学省のまとめでわかった。このうち47人がわいせつ事案で、取材に対して被害者の保護を不掲載の理由とする自治体もあった。文科省は各教育委員会などに改善を指導し、3日までに不掲載はすべて解消された。

 懲戒免職で失った教員免許は最短で3年後に再取得できる。わいせつ行為で免職になった教員が再び教壇に立つことを防ぐため、文科省は官報に掲載された教員免許の失効情報を検索できるツールを自治体に提供している。だが、10都道府県の教委で官報への不掲載があり、このツールによる検索の対象から漏れていた。

 文科省は10都道府県の名を公表していないが、朝日新聞の取材では、不掲載があったのは北海道、宮城、千葉、東京、岐阜、大阪、広島、佐賀、熊本、沖縄。このうち宮城、千葉、佐賀、熊本の4県は不掲載だった理由について、「被害者の特定を避けるためだった」と説明した。宮城県の担当者は、「教員による勤務校や過去に勤務していた学校の教え子に対するわいせつ行為で、被害者側からの要望もあり、被害者特定を避けるための配慮だった」とした。

 残る6都道府県は事務処理上のミスと答えた。北海道によると、掲載漏れの事案には、50代の男性教諭が校舎内で女子児童にわいせつ行為をした事案や、20代の男性教諭が女子生徒を学校に呼び出しキスをした事案も含まれていた。

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