道立江差高等看護学院教師によるパワハラ疑惑 保護者らは申立書を提出へ

道立江差高等看護学院教師によるパワハラ疑惑 保護者らは申立書を提出へ
HTB北海道ニュース 2021/4/8(木) 18:34配信

 新型コロナの治療を支える看護師を育てる学校で教師によるパワハラ疑惑が浮上しました。
 その舞台は、道南・江差町の道立看護学院。
 退学まで追い込まれた学生が取材に応じました。
 【元学生は…】
 「授業中に先生が書いているペンで『ぶっ刺すぞ』って言われた」
 看護師の卵を育てる学校で発覚したパワハラ疑惑。
 保護者や学生の証言によると、
 「あんたに指導する価値はない」
 「頭が小学生以下」
 「蹴るよ、殴るよ」などの発言があったということです。
 【喜多記者リポート】
 「保護者や学生によるとこうした暴言は1度だけではなく日常的に繰り返されていたということです」
 江差町にある道立江差高等看護学院。
 保護者や学生から複数の教師によるパワーハラスメントの訴えが相次いでいます。
 なかには留年や退学、休学に追い込まれた学生もいるといいます。
 【休学中の女子学生の保護者】
 「(教師から)腹パンチを実際やられてうっとなったと(娘)が言っていた」
 「行き過ぎというよりこれは犯罪ですかね」
 きのう開かれた保護者説明会。学校を管轄する道は先月、学生と教師におこなった聞き取り調査の結果や今後の対策を説明しました。
 【道保護者のやり取り】
 道「教員の言い分としては目標を達成して卒業をしてもらいたいということもあって時には厳しい口調で指導したこともあるというところです」
 保「ぶっ殺すぞとか強い言葉ではなく脅しですよね?」道「そこについても意見を伺いなら事実確認を…」
 保「また事実確認ですか身内の調査だから時間がかかる?これは去年から道に訴えていることですよ!」

 去年4月、看護師になりたいと夢を持って学校に入学した男性。
 【男子生徒は…】
 「実習中にあなたはガキンチョですかって結構ショックな言葉を言われました/自分の限界というか」
 単位をもらえず留年し先月、退学を決意しました。
 「一回も使わなかった教科書もありますね…」
 入学当初、19人いた同級生。留年や退学、休学が相次ぎ、いまも残っているのはわずか9人だといいます。
 【男性生徒】
 「違う学校だったら留年してでも行っていたと思います【Q今も看護師になりたい気持ちは?】
 「今はもうさめちゃった感じでないですね」
 HTBの取材に対し看護学院のトップは「課題はあると思いますが事実関係は道が調査しています」としています。
 【道の担当者(会見)】
 「教員の不適切な指導として認定するには道の人事担当部署とも連携して確認が必要であることから引き続き継続して調査を実施する」
 【Q調査はそんなに難しいのか?】
 「鋭意他部署とも連携しながらやっているのでご理解を頂ければ」保護者らはあすにも鈴木知事に早急な対応を求める申立書を提出する予定です。

 北海道立江差高等看護学院(伊東則彦学院長)の学生たちが「複数の教師によるパワハラ」を告発した問題で、学院を所管する道は7日、学生と保護者を対象に説明会を開いた。学生との意思疎通を図るため教師を増やすなどの対応を示したが、現時点でパワハラは認定しない方針で、学生や保護者は「問題の本質のすり替えで、分かっていない」と反発を強めている。
 学院は道立の専修学校で、学生や卒業生らによると、教師の強圧的な言動で多くの学生が留年や休学、退学に追い込まれたという。道は学生らの訴えを受け、3月17、18日に学生や教師らに聞き取り調査を実施。学生は今年3月までの1年間の教師による言動を記録した文書を提出し、抜本的な改善を求めた。
 文書には日付や教師名とともに、「講義に出させてもらえず、単位が取れなかった」「執拗(しつよう)に休学を促された」「課題の提出物を床に投げ捨てられた」「指導してもらった用紙に『は?』とだけ書かれた」「あなたに指導する価値がないと言われた」「看護学実習で肩を強く引っ張られ、尻もちをついた」などの内容が詳細に記録されていた。
 聞き取りや文書などを踏まえ、道は対応策を検討。7日の保護者説明会には約20人が参加し、道からは田原良英・道医務薬務課長らが出席した。

 北海道江差町の道立江差高等看護学院(伊東則彦学院長)で、学生たちが「複数の教師によるパワーハラスメントで留年や休学、退学に追い込まれた」などと訴えている。保護者らは「父母の会」を結成し、学院を所管する北海道に実態解明と対応策を求めている。道は7日、在校生や保護者を対象に説明会を開く予定だ。
 学生や卒業生らによると、教師らのパワハラ行為は少なくとも10年ほど前から行われてきた。道立の専修学校で、修業年数は3年間だが、多くの学生が留年や休学、退学を余儀なくされているという。
 学生たちは「病院での実習で単位をもらえず、どこが悪かったのか改善点を尋ねても指導してもらえなかった」「リポートや反省文の書き直しを執拗(しつよう)に指示され、提出期限切れとして留年させられた」「看護師になることを夢見てがんばっているのに、強圧的な態度で休学を勧められた」などと証言している。
 また、教師たちから「あなたは指導する価値がない」「バカじゃないの」「顔もみたくない」などと面罵された学生も少なくないという。
 2年前には、留年して、その後自宅アパートで自殺した男子学生もいたという。同級生や保護者らは「教師は厳しく叱責(しっせき)するばかりで、悩みに傾聴するなど親身なフォローがなかった。そうした対応が男子学生を追い詰めたのではないか」として、自殺に至った経緯を明らかにするよう学院側に求めている。

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