小中生「教職員セクハラ」訴え88件 2020年度、静岡県教委調査 各校で指導措置
あなたの静岡新聞 2021/4/27(火) 9:44配信
静岡県教委は26日、2020年度に公立小中学校で実施したセクシュアルハラスメント(セクハラ)の調査結果のうち教職員に関する事案を公表した。合計88件の訴えがあり、このうち「自分がセクハラを受けた」との回答が41件、「友人が受けた」との回答は47件だった。強制わいせつや盗撮など懲戒処分に直結する事案は確認されなかったが、調査結果を受けて各学校は確認を行い、指摘を受けた教職員に厳重注意などの指導措置を取ったという。
調査は政令市を除く公立小中学校で小5〜中3を対象に実施し、9万6692人(回答率96・8%)から回答を得て、教職員に関する事案を集計した。校種別では小学校が25件、中学校が63件。同一の教職員に複数の情報が寄せられた事例もあった。
内容別では、「授業中に頭や体を触られた」「部活中に腰のあたりを触られた」といった「不必要な身体的接触」が最多の46件。「部活中にじろじろ見てくる」「声がけ時に距離が近い」などの「不必要な接近」が16件と続き、この2分類で7割を占めた。身体的特徴や容姿、「男のくせに」といった性役割を巡る言動で不快な思いをしたとの訴えもあった。
各学校の調査では、教職員側が親しみを込めたスキンシップと捉えていた事例が多かったという。
県教委は市町教委に対し、指導を受けた教職員の継続的な観察や指導を求めた。調査結果はまとめて各校に報告する。県教委は「潜在事案をあぶり出し、重大事案に至る前の指導につなげられる」(教育総務課)とし、21年度も同様の調査を行う。