中学生がいじめで転校 鹿児島市教委が県に報告せず
MBC南日本放送 2021/5/7(金) 19:41
鹿児島市内の中学校でおととし、当時2年生の女子生徒がいじめを受け、その後、転校しましたが、市の教育委員会はこの事案について県に報告していませんでした。
鹿児島市の教育委員会などによりますと、おととし11月、市内の中学校に通っていた当時2年生の女子生徒が同じクラスの生徒から「ものを貸しても返されず暴言を吐かれるなどのいじめを受けている」として、女子生徒の母親が学校に相談したということです。
学校はいじめを行っていたとされる生徒やクラスメイトから聞き取りを行い、一部事実を確認できたことからいじめ事案と判断し、市の教育委員会に報告しました。
女子生徒は、翌月に別の中学校に転校しました。いじめを受けた女子生徒の保護者によりますと、「謝罪の場を設けて欲しいと学校に訴えたが、設けてもらえなかった。学校に相談したにも関わらずその後もいじめは続き、安心して学校生活を送ることができないと考え、やむなく転校した」ということです。
県は「生徒が心身に重大な被害を負うなどした場合『重大事態』として市町村の教育委員会は県に報告する必要がある」としていますが、鹿児島市教委は「今回のケースは重大事態にあたらず、いじめは学校の対処で解消したと認識していた」として、県には報告しませんでした。なお、女子生徒は転校した学校をすでに卒業し、高校に進学しています。