鹿児島・出水の中2死去 市が和解議案 加害行為認め遺族に陳謝へ
毎日新聞 2021/5/31(月) 21:25配信
鹿児島県出水市で2011年に自殺した市立中2年の女子生徒の遺族が、学校がいじめへの対策を取らなかったとして、市に1200万円の損害賠償を求めた訴訟で、市は31日、解決金200万円を支払うなど鹿児島地裁が勧告した和解案に応じるための議案を市議会に提示した。市が示した和解案の内容によると、市は女子生徒のバッグを蹴るなどした他の生徒の行為を認め、遺族に陳謝するとしている。遺族も和解案に応じる構えで、6月の市議会で可決すれば和解する。
一方、市は一連の行為について「いじめであるかどうかの判断はしない」と説明。しかし、和解内容によると、市は、女子生徒が死亡した後の13年に制定されたいじめ防止対策推進法などに照らせば「いじめの存在を想定して対応を検討すべき状態にあった」と認めており、遺族側は「いじめが認められたと思っている」としている。
死亡した女子生徒は中村真弥香さん(当時13歳)。2学期初日だった11年9月1日早朝、自宅近くで命を絶った。市教委はその後、市教委と校長らでつくる事故調査委員会と、大学教授や臨床心理士らでつくる専門委員会を設置。それらの調査を基に同年11月に「直接のきっかけは確認できなかった」とする報告書を公表した。遺族は、新たな第三者委員会での調査を求めたが市側が応じなかったため、17年5月に真相解明のための損害賠償請求訴訟を起こした。
市が示した和解内容によると、真弥香さんが命を絶つ前、他の生徒がバッグを蹴った▽部活用のノートや楽譜などがなくなった▽他の生徒に「へた」「しゃべらないで」と言われた――など10項目の事実を市が認め、その行為と近接した時期に真弥香さんが死亡し、その後の調査や対応が遺族の期待に沿うものではなかったことを市が陳謝する。市が解決金200万円を支払うなどとしている。
和解が成立する見通しとなったことを受けて、原告で真弥香さんの祖父幹年さん(71)は31日、取材に応じ「初めて被害が認められた。和解案には『いじめ』という言葉は使われていないが、誰が見ても紛れもない『いじめ』だ。和解後、市は墓前で真弥香に謝罪してほしい」と話した。
出水市教委の吉元利裕・学校教育課長は「陳謝は、被害の事実、亡くなったこと、遺族の意向に沿わなかったことすべてにかかると捉えている」と話した。【白川徹、樋口岳大】
◇相談窓口
・児童相談所虐待対応ダイヤル
189=年中無休、24時間。
・24時間子供SOSダイヤル
0120-0-78310=年中無休、24時間。
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0120-007-110=平日午前8時半〜午後5時15分、土曜・日曜・祝日・年末年始は休み。
・チャイルドライン
0120-99-7777=午後4〜9時(対象は18歳まで)、12月29日〜1月3日は休み。
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