「気持ちが女性なので…」女装して女子トイレに入った男性教員、これまで学校では“性自認”の問題に悩む姿なし

「気持ちが女性なので…」女装して女子トイレに入った男性教員、これまで学校では“性自認”の問題に悩む姿なし
HBCニュース 2021/6/2(水) 9:28配信

 5月29日、札幌市豊平区の大型書店の女子トイレに正当な理由がないのに侵入したとして、56歳の男が逮捕されました。男は女装していて「気持ちが女性なので、女子トイレに入った」などと話していましたが、その後、札幌市内の学校の教員であることがわかりました。勤務していた学校では”性自認”の問題で悩む姿などは全く見せていませんでした。

 建造物侵入の疑いで56歳の男が逮捕されたのは、5月29日午後6時50分ごろ。札幌市豊平区の大型書店の女子トイレに複数回、出たり、入ったりしているところを目撃され、店の警備員に声をかけられた後、警察に通報されました。当時、男は黒のカツラをかぶり、スカートをはいて女装していました。化粧はしていませんでした。
 警察の取り調べに対して男は「盗撮目的ではない。お腹を下したので、3回くらい出入りした。気持ちが女性なので、女子トイレに入った」などと話し、容疑を認めていたということです。警察は、容疑を認めた上、身元を引き受ける人もいる、盗撮目的の根拠となるものはない、勾留して捜査する必要がないとして翌日、男を釈放しました。
 その後、男は札幌市内の学校に勤務している教員とわかりました。勤務していた学校に取材すると、まだ男性教員と話をしていないとした上で「普通の教員だったので、びっくりしている」と驚き、これまで男性教員が“性自認”などの問題で悩みを話したり、行動したりしたことは一切なかったと困惑しています。
 札幌市で性的マイノリティの相談に積極的に対応している須田布美子弁護士は、様々な“性自認”があるため、この事件との関連性は簡単に判断できないとした上で、トイレと“性自認”の問題は根深いと指摘しています。
 須田弁護士によりますと、現在の日本では、男性用と女性用に分かれたトイレを避け、完全個室になっている多目的トイレを探し回って使っている人もいる。一方、アメリカのニューヨークなどでは「オールジェンダートイレ」という、男性用でも女性用でもLGBT用でもなく、オストメイトの人や子ども連れの人、誰でも使えるトイレが普及しているといいます。
 須田弁護士は「日本も、そうしたトイレが当たり前にある社会になったらいいし、誰でも使える個室トイレがあることが重要」と提言しています。

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