柔道教室で27回投げられ昏睡、7歳男児死亡 台湾

柔道教室で27回投げられ昏睡、7歳男児死亡 台湾
AFP=時事 2021/6/30(水) 21:37配信

【AFP=時事】台湾の柔道教室で繰り返し投げられ、2か月以上昏睡(こんすい)状態にあった7歳の男児が死亡した。病院が30日、発表した。

 男児の身元は、黄(Huang)という姓のみ公表されている。黄君は4月21日、柔道指導者に27回投げられたとされ、中部台中(Taichung)の豊原医院 (Feng Yuan Hospital)に搬送された。

 病院関係者はAFPに対し、黄君は脳出血で70日間昏睡状態にあったと明かした。呼吸器系の問題や多臓器不全も起こしており、両親は29日、息子の生命維持装置を外すことを決めたという。

 検察の発表によると、何(Ho)という姓のみ公表されている指導者は、子どもに重傷を負わせた罪などで今月起訴された。

 何被告は、黄君が柔道の基本的な動作をまだ習得できていなかったにもかかわらず、教室の他の子どもたちに黄君と組むよう指示。黄君が「先生は大ばかだ」と発言した後、複数の投げ技を黄君にかけたとされる。

 黄君は激しい頭痛を訴えた後、嘔吐(おうと)した。それでも被告は黄君が意識を失って倒れるまで技をかけ続けたという。

 入院中の黄君を見舞った台中市長は「司法が家族に慰めをもたらすことを願う」とフェイスブック(Facebook)に投稿した。【翻訳編集】 AFPBB News

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男児の絶叫にも27回背負い投げした柔道コーチ…結局7歳児は死亡
中央日報日本語版 2021/7/1(木) 7:52配信

台湾で柔道を習っていた男児が死亡する事件が起きた。コーチから背負い投げを27回もかけられた男児は病院に搬送されたが死亡した。男児は7歳だった。

台湾メディアが先月30日に伝えたところによると、台湾・台中市の豊原医院に入院していた男児がこの日息を引き取った。男児は4月21日に柔道教室でコーチに27回も背負い投げをかけられた後病院に搬送されてきた。コーチは無資格者だった。現地で公憤を買ったこのニュースはAFP通信やBBCなど海外メディアでも伝えられた。

BBCは現地メディアのタイペイタイムズを引用し、「60代後半のコーチは未成年者に身体的暴行により深刻に負傷させた容疑で起訴された」と伝えた。しかしコーチは今月初めに10万台湾ドル(約40万円)を払って保釈された。ただ、現地メディアによると台湾検察はコーチに適用した容疑を傷害致死に変える見通しだ。コーチが有罪判決を受ける場合、最小7年の刑に処されるという分析も出ている。

男児に対する柔道教室の指導は「暴行」に近かったものとみられる。コーチから数十回背負い投げをかけられる前から男児は同じ教室の年長の教習生から数回背負い投げをかけられたという。男児はコーチに教習を中断するよう何度も求めたが背負い投げが続いた。男児がおおげさな態度を見せていると考えたためだという。

男児が死亡する前に柔道教室に行くのを望まなかったという情況もある。事故が起きた日に男児は叔父に柔道教習を参観し動画を撮影するよう求めたという。母親に動画を見せて柔道を習うことが自分に合わないということを知らせたかったからだ。男児が母親に見せようとしていたこの動画が結局、死亡原因の証拠になった格好だ。

叔父が教習の参観までしたのに事故を防ぐことができなかった理由について現地メディアは疑問を示ししながらも、コーチに対する尊敬心からむやみに介入できなかったという分析を出した。

事件当日に繰り返された背負い投げにより脳出血と多発性臓器損傷などを負った男児は入院後70日近く生命維持装置に依存してきた。しかし男児の両親は前日に状態が悪化すると生命維持装置を外すことに同意した。

台中市の盧秀燕市長も男児の死亡に対して自身のフェイスブックを通じ「司法システムが遺族に平安をもたらすよう望む」として憤怒した。

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