保育士わいせつ疑惑で愛知県が特別指導監査 再就職先へ聞き取りも
毎日新聞 2021/9/6(月) 19:09配信
愛知県尾張地方の民間認可保育園で20代の男性保育士(既に依願退職)が、複数の女児にキスをするわいせつ行為をした疑いがある問題で、同県が同園に対し、児童福祉法などに基づく特別指導監査を実施したことが6日、判明した。監査は1日付で、県は引き続き問題を調べている。
県監査指導室などによると、特別指導監査は不正や著しく不当な対応が確認もしくは懸念される場合に実施される。県の担当者が、保護者からの訴えがあって以降の経緯や、男性保育士が依願退職した理由などを園長や職員から聴取した。
監査の中で、園側は、男性保育士や、保育士の再就職先の放課後等デイサービス(名古屋市)から、「辞めた経緯を保育士から聞いた上での採用だった」という説明を、報道後に受けていたことを明らかにした。今後、県は園児の保護者だけでなく、再就職先への聞き取りも検討している。
この問題を巡っては、6月中旬に被害の訴えを受けた園の聞き取りに対し、保育士は故意性を否定。複数女児の被害情報もあったが、保育士は7月末、依願退職した。保護者からの聞き取りもほとんど進まず、報道後の8月下旬の保護者説明会になって、キスされた女児は3人で嫌がる女児もいたことを園側が明らかにしている。
また6日には、立地自治体の議会本会議でこの問題の質疑があったが、自治体の担当部長は「自治体としては偶発的事案と判断しているが、県が調査中」などとして詳しい説明を避けた。把握から1カ月以上県に報告していなかった点については「園の事実関係の整理を踏まえて報告した」と釈明した。【川瀬慎一朗】