兵庫県内いじめ「重大事態」最多40件 認知件数1万9980件 過去2番目

兵庫県内いじめ「重大事態」最多40件 認知件数1万9980件 過去2番目
神戸新聞NEXT 2021/10/14(木) 6:00配信

 文部科学省が13日公表した2020年度の問題行動・不登校調査で、兵庫県内の公立学校でのいじめ認知件数は1万9980件(前年度比2803件減)と、19年度に次ぎ過去2番目に多かった。特に、心身への被害や長期欠席につながる「重大事態」が前年度比3件増の40件と、最多を更新した。

 県教育委員会によると、いじめについては、文科省が軽微な内容も含めて積極的に把握する方針を打ち出し、15年度以降、認知件数が急速に増加していた。20年度は新型コロナウイルス感染拡大のため学校が2カ月間休校し、生徒同士の関わりが減ったため、認知件数も減少したとみられる。前年度より減少するのは6年ぶり。

 千人当たりの認知件数は38・7件で全国平均の44・6件を下回った。県内の内訳は、小学校1万5049件(前年度比1142件減)▽中学校4347件(同1444件減)▽高校443件(同214件減)▽特別支援学校141件(同3件減)−だった。

 重大事態は小学校で22件、中学校で17件、高校で1件発生。「生命や心身に重大な被害が生じた疑いがあるもの」が計15件、「相当期間の欠席を余儀なくされた疑いがあるもの」が計25件だった。神戸市の中学校でいじめを苦にした自殺とみられる事案が1件あり、同市教委が調査委員会を設置している。

 いじめのうち「解消しているもの」は67・5%で、解消率は前年度比12・5ポイント低下した。県教委によると、休校で対応が遅れたほか、丁寧な見守りを重視して安易に解消としない傾向が反映しているという。

 一方、暴力行為の発生件数は1956件で、同17・4%減少。千人当たりの発生件数は3・8件(全国平均5・6件)だった。内訳は小学校922件、中学校861件、高校173件。全体で対教師暴力や生徒間暴力が減少したが、小学校の器物損壊だけが102件と同14・6%増加した。コロナ禍で子どもたちの心の状態が不安定化している可能性も考えられるという。

 不登校は小学校2829人、中学校6424人、高校935人で、合計で同607人増加した。全児童生徒に占める割合は1・99%で、全国平均1・98%と同程度という。要因としては、本人の「無気力・不安」が43・3%を占めた。また、コロナを理由に30日以上登校しなかった児童生徒は小中高校の合計で500人。県立高校の中退者は885人(前年度比210人減)だった。(古根川淳也)

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