「なぜ最初から…」黒塗りのいじめ関連文書を一転開示、遺族は批判

「なぜ最初から…」黒塗りのいじめ関連文書を一転開示、遺族は批判
西日本新聞 2021/11/12(金) 11:50配信

 2017年に長崎市の私立高2年の男子生徒=当時(16)=がいじめが原因で自殺したとされる問題で、遺族が開示を求めた関連文書について県が「学校法人の利益を害する恐れがある」として一部を黒塗りのまま示した後、遺族の訴えを受け、一転して全文を開示したことが分かった。遺族は「なぜ最初から開示しなかったのか。息子より学校を優先している」と批判している。

 開示されたのは、「同級生のいじめが自死の主要因」と認定した第三者委員会の報告書に対し、学校側が19年3月に県に提出した意見書。遺族は今春に意見書の存在を知り、4月に情報公開請求した。

 県は5月、一部が黒塗りとなった文書を開示。遺族は不服として審査請求した。9月に公開された文書では、黒塗り部分には「(報告書は学校による)調査資料の内容を反映していない」など、第三者委を批判する内容が記されていた。遺族は「県は学校側から訴えられるのを恐れたのでは」と話す。

 学校側は現在も報告書の受け入れを拒否している。一連の対応について県学事振興課は取材に「個人情報なので回答できない」としている。

 (坪井映里香、泉修平)

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