「大切な体」守って 教員のわいせつ事件防止 千葉市教委、モデル授業公開

「大切な体」守って 教員のわいせつ事件防止 千葉市教委、モデル授業公開
千葉日報オンライン 2021/12/4(土) 18:23配信

 児童生徒の心身へ大きな苦痛を与える教員のわいせつ事件を防ごうと、千葉市は1日、稲毛区の市立園生小で「生命(いのち)の安全教育」に関するモデル授業を公開した。外部講師が1年生を対象にプライベートゾーンを守る重要性について説き「大切な体を人に見せたり触らせたりしないで」と呼び掛けた。昨年1月に立ち上げた「子どもへの性暴力防止対策検討会」の提言を踏まえたプログラムで、来年4月からの全校導入を目指す。

 同検討会は、教え子にわいせつ行為をしたとして=懲戒免職=がされた事件を受け、後藤弘子千葉大院教授(刑法学)を座長に発足。今年6月に市教委に提出した提言では、校内の死角排除を要請した上で、児童生徒が違和感に気付けるようなソフト面の指導が重要としていた。

 モデル授業は文部科学省の新事業「生命の安全教育」を活用し、今年10月から市内の小学校6校で実施。検討会委員らの助言のもと、性暴力防止講座などを行うNPO法人「虹色のたね」理事長、池畑博美氏が講師を務めた。

 「プールに入る時はなんで水着を着るのかな?」。池畑氏は冒頭“自分の体は大切”というテーマで児童に問い掛け。プライベートゾーンの概念や、両親らによる安心できるスキンシップと第三者による不快な接触の違いをかみ砕いて説明し「大切な部分を見せたり触らせたりしないで」と強調した。

 終盤は、さらに踏み込み「大人にじっと見つめられたら、嫌なことをされたらどうする?」と展開。学級全体でSOSの出し方を考え「生まれた時から持っている大切な体。今日の話を忘れないでほしい」と締めくくった。

 見学した後藤教授は「(今回のような)非日常的な授業は、子どもたちがヘルプを出すきっかけにもなる。開けた学校空間として今後も外部講師と連携しつつ、現場の教員が日々の授業に取り入れていってほしい」と求めた。

 市教委によると、モデル授業の内容は市内全小学校に共有し、来年4月から各校の教員が授業を実践できるような体制を敷く。市教委は高学年や中高生、特別支援学校向けにも広げる意向だ。

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