存在しないとされた『17年前のいじめ調査文書』成人した被害者本人も認める詳細記録…「ない」と一貫主張の神戸市教委は?【特集】

【独自入手】存在しないとされた『17年前のいじめ調査文書』成人した被害者本人も認める詳細記録…「ない」と一貫主張の神戸市教委は?【特集】
MBSニュース 2022/4/21(木) 17:08配信

 17年前に神戸市の小学校で起きた“いじめ”。神戸市教育委員会はこれまで一貫して「十分な調査を行えず、いじめがあったかどうか判断ができない」「いじめの調査文書はない」と主張してきた。しかし今回、取材班は教育委員会がこれまで“ない”と主張してきた『いじめの調査文書』を独自に入手した。

17年前のいじめ…加害児童も裁判所も認めたが“教育委員会”だけが認めず

 取材班が独自に入手した神戸市教育委員会の内部で保管されていた34ページの資料。17年前に起きた“いじめの記録”で、これまで明らかにされてこなかった。

 2005年、神戸市立の小学5年生だったAさんが同級生13人から、殴る蹴るの暴行を受けたり教科書を破られたりするなどの嫌がらせを受け、さらに約1年間にわたって50万円以上を脅し取られたという。

 今年3月、Aさんの父親が取材に応じ、当時について語った。

 (被害児童Aさんの父親)
 「結局1年近く殴る蹴るやら、『きしょい』『うざい』『死ね』とかそういった言葉の暴力。(息子が)お金を持ち出していたのは、私が旧札で集めていた昔の聖徳太子(1万円札)とかのお金をこっそり抜いて渡していたんですね。そのお金(旧札)がなくなって、私や母親の財布からちょこちょこ抜くようになってから、おかしいなとやっと気づいた」

 Aさんをいじめていた加害児童13人のうち10人はいじめを認め、うち1人は次のような謝罪文をAさんに送っている。

 【加害児童からの謝罪文】
 「ぼくは恐喝してお金を取っていたことは間違いありません。『死ね』『消えろ』などと言って、仲間はずれにもしました。大変反省しているので、すべて話してお詫びすることにしたのです」

 父親は、いじめを認めなかった加害児童3人の親を相手に裁判を起こし、大阪高裁は2009年に「ふざけあいの類ではなく、いじめと評価すべきものであったことは明らかである」として、加害児童全員のいじめ行為を認定した。

 しかし…

 (被害児童Aさんの父親)
 「いじめが教育委員会は『あったかなかったか分からない』と。教育委員会以外は全員『いじめだ』と言っているんですよ。なぜ教育委員会はそこまでそれを否定したかったのかなと。ずっと知りたかったし、今も知りたいですね」

 加害児童も裁判所もいじめを認めているが、神戸市教育委員会だけが今も認めていないという。

 (被害児童Aさんの父親)
 「今さら教育委員会が認める認めないはどうでもいいんですよ。自分たちが隠ぺいしてきたということを認めなさいと」

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