不来方高バレー部員自殺問題 当時の顧問を懲戒免職/岩手
IBC岩手放送 2022/6/24(金) 17:26配信
で、県教育委員会は24日、複数の部員に不適切な言動をしたとして、当時の顧問で45歳の男性を懲戒免職処分としました。
24日付けで懲戒免職処分となったのは、元・県立不来方高校バレーボール部顧問で総合教育センター研修指導主事の45歳の男性です。この問題はし、遺族が「顧問による行き過ぎた指導が原因」と訴えていたものです。
県教委によりますと、男性は顧問を務めていた2015年度から2018年度にかけて複数の部員に対し「使えない」、「バカ、アホ」などの発言をしたということです。新谷翼さんに対してはさらに、「背は一番でかいのにプレーは一番下手だな」、「そんなんだからいつまでも小学生だ、幼稚園児だ」などの言葉を浴びせていました。
男性は「叱咤激励や気合を入れるつもりだった。申し訳ないと思っている」と話しているということです。
県教委はこのほか管理監督責任として当時の副校長など計5人を戒告処分にしました。
この問題を調査した第三者委員会は「顧問による厳しい叱責が自殺につながった」との結論を出していますが、県教委は暴言と新谷さんの自殺との因果関係を検討した結果、判断が難しいとしています。県教育委員会の佐藤博教育長は、「県民の信頼を損ねる事態となったことは遺憾の極み。深くお詫び申し上げます」とコメントを発表しました。
懲戒免職処分の発表を受け、新谷さんの父親・聡さんは弁護士を通じ、「次の被害者が出ることは防ぐことができたと思います。引き続き再発防止策定委員会において、過去の学校長の不作為について解明していくように働きかけていきたいと思います」とのコメントを出しました。また母親は「長く時間がかかりましたが、やっとパワハラが認定されました。協力して下さった皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。ただ結果がどうであれ、子を失った悲しみは、一生癒えることはありません」とコメントを発表しました。
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はじめてこの事件を知った方へ。
時系列で整理しますと。
まずこの男は2008年に盛岡第一高校でパワハラの限りを尽くして、生徒とご両親から訴訟を起こされます。
2008年、岩手県立盛岡第一高のバレーボール部顧問が男子部員に暴言や暴力行為を行ったとして、元部員と両親が県と教諭に約200万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。
2017年、盛岡地裁は教諭の一部の指導を不法行為と認め、県に慰謝料など20万円の支払いを命じた。
訴訟の最中、この教師は何食わぬ顔で不来方高校に転属し、そこでも生徒に対して暴言を繰り返します。
そして2018年7月、暴言に耐え兼ね、バレーボール部の男子生徒が自殺します。
不来方高校で生徒が亡くなっても、この教師は部活の指導を行ってました。
前任校の生徒から告訴され仙台高裁で係争中の男性教諭に部活動の指導を続けさせた県教委について、亡くなった生徒の父親は刑事告訴を検討開始します。
岩手県立盛岡第一高の元生徒と両親が起こした裁判で、仙台高裁は県に20万円の支払いを命じた1審盛岡地裁判決を変更、40万円の支払いを命じました。
裁判の結果が出てやっと「減給1か月」の処分です。
裁判と減給1か月は、盛岡第一高時代についての判決で、こちらの書類送検は不来方高校で生徒を自殺まで追い込んだ暴行についてです。
第三者委員会の調査がやっと終了。結果が待たれます。
ですが、の結果、信じがたいことにとなりました。
生徒自殺の「原因の一つ」にこの教師の指導があると第三者委員会は認めましたが、どう考えてもこの教師が元凶であって「原因の一つ」ではないです。
2020年12月には、盛岡第一高時代に被害にあった生徒の両親と、不来方高校で息子さんを自殺で喪った両親が、この教師の懲戒免職を求めました。
そして今回やっと教師の責任が認められ、懲戒免職処分となりました。
最後までは報じられませんでしたが。
ところで、一つ疑問があります。
なぜ、盛岡南高校と統合させて「不来方高校」を無くすのでしょうか?
しかも、新設時には不来方高校の校舎や施設を活用するという。
だったら名称も「不来方高校」でいいのでは?
もともと「不来方」は盛岡よりも古い地名で、石川啄木も「不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心」と詠んだ地名です。
生徒の自殺を教師の懲戒免職処分で終わらせて、続けて学校名も変更することで、記録上「不来方高校」の出来事は全て終わったことにさせるという事でなければ良いのですが。
盛岡南と不来方 統合新設高校 名称一般公募 2024年度中に決定へ<岩手県>
岩手めんこいテレビ 2022/6/5(日) 12:17配信
岩手県立の盛岡南高校と不来方高校を統合し新設される高校の名前は、一般公募され、これを基に2024年度中に決定されることになった。
岩手県教育委員会は2021年5月、盛岡南高校と不来方高校を2025年度に統合することを決定。
6月2日は新しい高校の設立に向けた検討委員会が、岩手県矢巾町で開かれた。
この中で学校名について、6月10日から7月20日まで一般公募し、これを基に検討委員会で候補を選定し、2024年度中に最終決定することが確認された。
不来方高校 清川義彦校長
「今の生徒たちや、たくさんのOBにも納得していただけるような魅力ある学校づくりをしたい」
検討委員会では次回の会議を2022年9月に行い、学校の教育目標や学科の種類などについて議論を重ねていくとしている。