教員が強制わいせつ有罪、市教委が懲戒処分しないまま失職 相模原
朝日新聞デジタル 2022/12/29(木) 8:20配信
相模原市立中学校の男性元教諭(39)が横浜地裁相模原支部で、知人の女性教諭への強制わいせつ罪で有罪判決(懲役1年6カ月、執行猶予4年)を言い渡されていたことが、関係者への取材でわかった。元教諭は有罪確定を受けて、地方公務員法に基づき失職しているが、市教委は懲戒処分をしていないままだった。
判決によると、元教諭は2021年2月、相模原市内で女性教諭に無理やりわいせつな行為をした。捜査関係者によると、神奈川県警が被害届を受けて、在宅で捜査。同5月に書類送検し、その後起訴された。
市教委は起訴後の同11月、元教諭を休職処分としたと発表した。事件直後から複数回聞き取りを行ってきたが、元教諭は一貫して「酔っていて覚えていない」と回答したことなどから、懲戒処分はしなかった。初公判で起訴内容の一部を認めたが、市教委は「責任能力の有無を含めて、司法判断を待つことにした」という。
地方公務員法では、教職員も含めて、禁錮刑以上が確定すると職を失う。地裁支部での判決後も、市教委教職員人事課は「控訴すれば無罪になる可能性もあると考え、推移を見守っていた」。元教諭は控訴せず有罪が確定し、失職したため、処分できる機会がなくなったという。市教委は控訴期限の当日、元教諭に教員免許の返納を求め、退職金を全額不支給にした。懲戒免職と同様のペナルティー内容という。
女性教諭の知人によると、女性教諭は被害を受けた後、体調を崩して休職し、通院を続けている。いまも仕事に復帰できていないという。元教諭を相手取り、東京地裁立川支部に訴訟を起こした。「懲戒処分を一つの区切りに前に進みたい」と考えていたが、市教委が元教諭に対する懲戒処分をせず、職員や生徒、保護者に伝えていないことに不信感を抱いているという。(大宮慎次朗、岩堀滋、編集委員・北野隆一)
相模原市立中学校の男性教諭が強制わいせつの罪で起訴されたことを受け、相模原市教委は、22日付けで休職処分にしました。
起訴休職処分となったのは相模原市立中学校に勤務する男性教諭です。
市教委によりますと男性教諭はことし2月の未明、知人の女性に対してわいせつな行為をしたとして11月15日に強制わいせつの罪で横浜地裁相模原支部に起訴されたということです。
市教委の聞き取りに対し男性教諭は「キスしようしたことは認めます」などと話しているということです。
ことし2月に被害者の女性から学校に報告があったものの、男性教諭が起訴されたことを受け、市教委は22日から判決が確定するまで休職処分にしました。
相模原市の鈴木英之教育長は、「わいせつ行為の事案が続けて発生していることから、厳正な服務規律の確保と綱紀粛正を図り、再発防止と信頼回復に努めてまいります」とコメントしています。