いじめ等への対応は 熊本市教委審議会設置【熊本】
KKT熊本県民テレビ 2023/5/22(月) 19:02配信
いじめや不適切な指導への対応など教育行政の全体のあり方を考えるため、熊本市教育委員会が審議会を設置した。22日に初めての会議が開かれ、有識者や当事者など様々な立場の委員が集まった。
こども基本法の施行などで地方の教育行政も大きな転機を迎えるなか、2023年度に熊本市教育委員会が設置した「教育行政審議会」。いじめや不適切な指導といった子どもをめぐる課題に学校や教育委員会がどう対応していくかなど、教育行政のあり方について外部の視点で考える。
選ばれた委員は16人。教育行政を専門とする大学教授や精神科医、学校関係者など県内外から招集された。保護者代表の1人、西村則子さん。いじめ問題の当事者として委員に加わった。
■西村則子さん
「できることは小さいかもしれませんが、できることはしていきたいという思いです」
西村さんの長男(24)は2015年に入学した県立高校でいじめを受けた。長男は不登校となり西村さんは学校に対応を求めたが、学校は当時「重大事態」として教育委員会に報告せず、いじめが認定されたのは入学から7年が経った2022年10月だった。
被害者がこんなに長い期間苦しむ制度ではいけない、当事者が声をあげることでいまとこれからを生きる子どもたちのためになればと、委員になることを決心した。
■西村則子さん
「なかなか具体的に意見が言える当事者の意見を拾ってもらえる会議はないので、皆さんに(経験を)話しながら有効な解決策や仕組みを考えていきたい」
1回目となる22日の会議では事務局が体罰や暴言、いじめに対応するための体制整備や相談窓口の充実、教育委員会や学校管理職のマネジメント力強化など6つの検討項目を提示。それぞれの立場から検討項目などについて経験も交えた意見が飛び交った。
次の会合は7月に開かれ、2023年度中に中間答申案を、2025年2月に答申案をまとめる予定。