「くすぐるなどしただけ」3度目逮捕、アメリカ人外国語指導助手が容疑否認 どう防ぐ?子どもへの性加害「日本版DBS」導入検討も

「くすぐるなどしただけ」3度目逮捕、アメリカ人外国語指導助手が容疑否認 どう防ぐ?子どもへの性加害「日本版DBS」導入検討も
TBS NEWS DIG 2023年3月30日(木) 20:45

富山県入善町で外国語指導助手(ALT)をしていた36歳のアメリカ人の男が、女の子にわいせつな行為をしたとして3度目の逮捕をされました。事件を防ぐことはできなかったのでしょうか。一方、男がくすぐっただけと「性的な意図はまったくなかった」と容疑を否認していることもわかりました。果たして事件の真相は…。

富山県入善町の広報誌にはこんな文章が…。

「日本とアメリカの架け橋になりたい」。

入善町で外国語指導助手(ALT=Assistant Language Teacher)として勤務していたアメリカ人のロバート・マイケル・スォージ容疑者(36)。

ことし2月、13歳未満の女の子の体を触るなどしたとして、強制わいせつの疑いで28日、3度目の逮捕をされました。

スォージ容疑者は、アメリカのミズーリ州セントルイス出身。小さいころに見た「ゴジラ」をきっかけに日本文化に興味を持ち、ミズーリ大学で日本語を学んだといいます。

スォージ容疑者(広報誌より):「小さいころに見たゴジラをきっかけに日本文化に興味を持ちました。絵を描くのが好きだったので、日本のアニメキャラクターなどもよく描きました」(入善町広報誌より)

大学在学中に東京への留学を経験。日本の文化に直接触れることで、日本とアメリカの双方の良さを広めたいと考えるようになったといいます。そして、2019年に外国語指導助手となり、入善町の複数の小学校や中学校で教えていました。教員の仕事は初めてで、「みんなと仲良くなりたい」と笑顔を見せていたといいますが…。

スォージ容疑者は今年2月16日に逮捕されました。その後、3月8日に2度目の逮捕。この2件について、強制わいせつの罪で起訴されました。2件とも事件あったのは2月8日、3月28日に3度目の逮捕をされますが、これも同じ日に起きた事件と思われます。女の子への性的な事件ということもあり、警察は事件の詳しい経緯を一切明らかにしていません。しかし、チューリップテレビの取材で、スォージ容疑者が容疑を否認していることがわかりました。

友人は「普段からスキンシップが強い人」
スォージ容疑者の弁護人によると、性的な意図はまったくなかったとして、容疑を否認しているといいます。

また、勾留理由開示手続き、つまり身柄を勾留された理由を裁判所に対して明らかにするよう求める手続きでは、“小学生の女の子3人に対し、校内で女の子たちの体をくすぐるなどしただけだ」と話したといいます。

スォージ容疑者の友人はこのように話しています。

スォージ容疑者の友人:「普段からフランクでスキンシップが強い人。本人はそんなつもりはなかったと強く否定している」

しかし、女の子や保護者が警察に相談したことで、逮捕されたということです。

今後の刑事手続きで事件の真相が明らかにされると思われます。

スォージ容疑者は、どのようにして外国語指導助手に採用されたのでしょうか?

JETプログラムのホームページ:「豊富な候補者の中から、優秀な人材をご紹介します」

「JETプログラム」とは、語学指導などを行う外国青年招致事業(The Japan Exchange and Teaching Programme)の略で、外国の青年を地方自治体などで任用し、外国語教育の充実と地域の国際交流を図る国の事業です。77ヶ国から7万5千人以上が参加、現在、45都道府県と17政令指定都市を含むおよそ1,000の地方公共団体などが参加者を受け入れているといいます。入善町も、富山県を通してこのJETプログラムに申し込み、スォージ容疑者を紹介されました。

JETプログラムのホームページ:「日本の事情に精通している委員が、応募者の意欲、適性、言語能力などを審査しています」

JETプログラムの運営団体によりますと、書類や面接などの選考は外務省が行っているといいます。教育の現場で働く外国人による事件。子どもたちを守るにはどうしたらいいのでしょうか?

前歴の開示と前歴者の就業制限の検討も
子どもの性被害に詳しい千葉大学大学院の後藤弘子教授はこう語ります。

千葉大学大学院 後藤弘子教授:「性加害をする教員は指導力がある人も少なからずいるなかで、加害者を見分けるのはかなり難しい。1件の被害申告があったということは、初めてこのような行為をしたとは考えにくく、以前からいやな思いをしている子どもがいた可能性はある」

偏見を持たずに、ささいな違和感に気づく“目”を学校全体で育てる努力が大切だといいます。

千葉大学大学院 後藤弘子教授:「犯罪履歴のチェックを行ったとしても、それで防げるのは今起こっている性暴力のわずかにとどまる。多くの性被害は学校現場の不断の努力が行われない限り減らないと思うし、なくならないと思う​」

4月1日からは、子ども政策の司令塔となる「こども家庭庁」が設置され、子どもの権利を守るための総括的な「こども基本法」が施行されます。子どもの性被害防止についても、子どもへの性犯罪歴のある人が教育や保育の現場で働くのを制限する「日本版DBS」の導入も検討されています。

DBSとは、イギリスで行われている前歴の開示と前歴者への就業制限機構「Disclosure and Barring Service」の略で、これを手本に日本版が検討されています。きっかけは、2020年にベビーシッターの男が、保育中の子どもに対する強制わいせつ事件で逮捕されたことでした。被害にあった男児は20人に上るとされています。

後藤教授は、日本では子どもの権利は手厚く守られるべきだとしたうえで、新しい法律ができていることを、外国人の教員にも、研修や学校ごとの教育できちんと伝えるべきだとしています。また、自治体の教育委員会などについても、万が一、被害が発生した場合に備え、時系列で誰がどう対応するかといったマニュアルを作成するなど、きちんと制度化する必要があると指摘しています。

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