新潟テクノスクール訓練生自殺 県が謝罪 ”ハラスメント”元指導員は同席せず遺族から不満の声【新潟】
UX新潟テレビ21 2023/6/5(月) 19:42配信
ハラスメント再発防止に指導を徹底と説明
新潟テクノスクールの訓練生だった男性が指導員からのいじめを訴えて自殺した問題で、県の第三者委員会が元指導員によるハラスメント行為を認めたことを受け、県は遺族に対して今後の対応を説明しました。
2012年まで新潟テクノスクールに通っていた男性は。2017年7月、「当時の指導員から暴行などを受けた」という遺書を残して自殺しました。県が設置した第三者調査委員会は今年3月、「指導員からのハラスメント行為があった」とする報告書を提出。県は5日、遺族に謝罪し、ハラスメントの再発防止へ指導を徹底すると説明しました。
ハラスメントを県が謝罪 対応説明するも遺族に残る不満
■県産業労働部雇用能力開発課 瀬賀功課長
「ハラスメントとして認められる行為があったこと、およびその当時の指導に配慮が足りなかったことを心よりお詫びいたします。申し訳ございませんでした」
しかし、遺族が謝罪を求めている元指導員は同席しませんでした。
■男性の母
「直接自分がしたことは自分が謝る、当然じゃないですか」
県は「ハラスメント行為は県の職務の中で行われたものなので組織として対応する」とし、謝罪に対する本人の意思については答えられないと述べました。
■男性の姉
「組織、組織と言われても組織のあり方が問題になってきている。県には訴え続けないといけない」
県は「指摘された県の対応の問題点について改善策を検討していきたい」としています。
新潟県立職業能力開発校「新潟テクノスクール」(新潟市)の元生徒の男性会社員=当時(25)=が平成29年、在学中に担任から暴行や暴言を受けたとする遺書を書いて自殺した問題で、県の第三者調査委員会(座長・菊池弘之弁護士)は20日、元担任によるハラスメントはあったとの報告書をまとめ、橋本憲次郎副知事に提出した。
県が31年にまとめた調査結果では、暴行や暴言は認められないとしていたが、それが覆った格好だ。その後、県は令和元年、詳細な調査を行うため第三者調査委を立ち上げ、関係者から聴取を行うなど約3年半にわたり調査していた。
報告書や菊池座長によると、元担任は平成23年度の1年間、元生徒に暴行や暴言を繰り返し行った。言動の具体的内容は明かされなかったが、こうしたハラスメントなど複数の要因が絡み合い、自殺に至った可能性が高いとした。
しかし、自殺とハラスメントなどとの直接的な因果関係については、時間がたって関係者の記憶があいまいになっていることなどから「特定することは困難」(報告書)と結んでいる。
遺族はこの日、報道陣に「ハラスメントがあったことを認めてもらい一安心している。元担任に謝罪を求めたい。今後の対応については、県に報告書の詳細を開示してもらってから検討したい」と話した。