日大元幹部ら提訴を検討 林真理子理事長 カザルスホールは復活へ
朝日新聞デジタル 2023/7/12(水) 5:30配信
元理事らが背任罪で逮捕・起訴された問題をめぐり、日本大学は11日、元幹部らに対して今後、損害賠償などを求めて提訴する方針を明らかにした。昨年7月の就任から1年の節目で開いた記者会見で、林真理子理事長が述べた。
同大によると、同大が設置していた「不正事案洗い出しのための特別調査委員会」が今年10月に出す予定の最終報告に基づいて提訴する。また、国の私学助成金が全額不交付となり、大学に損害を与えた点も別途、提訴を検討している。どちらも提訴の相手は明言しなかった。
林理事長は「大学の改革としては6合目だが訴訟は9合目まできた。2年目はいくつかの訴訟をし、うみを出し切りたい」と語った。
同大は今年3月、背任事件による損害や、大学が設置した調査委員会の費用として、元理事長らに約11億1300万円の損害賠償を求める訴訟を起こしている。
会見ではまた、同大が所有し、2010年に閉館したカザルスホール(東京・お茶の水)を2026年6月に復活させることも明らかにし、「学生のためのホールを念頭に各学部、付属校と連携して十分に活用したい」と話した。約1億円の寄付が集まっているという。10月21日にはサントリーホールでパブロ・カザルスの没後50年記念コンサートも開く。(上野創)