性的な発言やセクハラ行為で男性教員3人処分 なくならない非違行為 県教委「コロナ禍で『心に響く研修』不足」
FNNプライムオンライン 2023/9/19(火) 16:02配信
なくならない教員による「非違行為」。児童に性的な発言をしたなどとして、男性教員2人が停職処分を受けたほか、同僚の女性職員を抱きしめるなどして精神疾患を患わせた男性教員が減給処分に。県教委は、外部の専門家による研修などを検討している。
相次ぐ教員の不祥事
「誠に申し訳ございませんでした」
長野県教委は9月14日、男性教員3人の懲戒処分を発表し、陳謝した。
このうち停職3カ月処分を受けた中信地区の小学校の40代男性講師は、2022年9月から今年7月までの間、児童1人に対し、不快にさせる性的な発言を複数回行ったという。
児童から別の教職員に相談があり発覚した。
講師は、「そうすることで児童の心が安定すると思った」と話しているという。
停職1カ月の処分を受けた北信地区の小学校の30代男性教諭は、2022年7月から今年3月までの間、複数の児童に対し不快にさせる性的な発言を複数回行った。
保護者から学校に相談があり、発覚した。
この教諭については、2022年7月、別の保護者からも「児童との距離が近すぎる」といった相談があり指導を行っていたという。
この他、減給10分の1・3カ月の処分を受けた中信地区の中学校の45歳の男性教諭は今年4月、職場の慰労会の帰りに、同僚の女性教職員に対して無理やり手を引いて連れまわし、複数回抱きしめるなどといったセクハラ行為をした。
このことで女性職員は精神疾患を患ったという。
コロナ禍で「心に響く研修」不足
県教委によると、教職員の懲戒処分は2021年度の5件から、2022年度は12件に増加、今年度は、9月14日時点で6件となっている。
県教委は、非違行為などの増加の背景について、「コロナ禍で、対面形式の研修が大幅な制約を受け、教職員間で早い段階で悩みを共有できたり、窮状に気づく職場環境が形成されずに、悩みを持つ教職員が孤立化してしまい、コントロールできなくなったストレスの発散の先が、弱い立場の者(児童や生徒)に向いたのではないか」、また、「同時に、校内研修において、非違行為の防止対策が、資料の配布や職員会などにおける校長からの一方的な説明などにとどまり、教職員の『心に響く研修』が不足していたのではないか」としている。
「非違行為」の根絶に向け…
県教委は、非違行為の根絶に向けた取り組みと題して報告し、校内研修におけるワークショップ研修の確実な実施、児童生徒とのSNSを禁止することなどの校内ルールの再確認、徹底を図るとしている。
また、初任者・管理職を対象にした外部の専門家による研修や、研修で中心的な役割を果たす「ファシリテーター」役の教職員を育成する研修なども今後検討していくとしている。
(長野放送)